多肉植物は挿し芽で増やすことが可能!? その方法や注意点を解説します。

プックリとした厚手の葉が特徴的な多肉植物は、お世話が簡単な観葉植物として人気です。種類も多いので、いろいろな多肉植物を寄せ植えして楽しむこともでき、美しいインテリアにもなるでしょう。多肉植物が成長すれば、挿し芽を行って増やすこともできます。

そこで、今回は多肉植物の挿し芽をする方法について解説しましょう。

  1. 挿し芽って何?
  2. 多肉植物の挿し芽を行う方法
  3. 挿し芽を行う場合の注意点
  4. 多肉植物の挿し芽に対するよくある質問

この記事を読むことで、多肉植物を上手に育てるコツも分かりますよ。多肉植物を増やしたい方や上手に栽培する方法を知りたいという方も、ぜひ読んでみてくださいね。

1.挿し芽って何?

挿し芽とは植物の増やし方の一つで、葉がついた茎を地面に挿して発根させる方法です。植物の増やし方としてはポピュラーなもので、樹木で行う場合は挿し木、草花で行う場合は挿し芽(挿し穂)と呼ばれています。
挿し芽は種からの育成が難しい植物を増やしたい場合や、親株と全く同じ子株を増やしたい場合に行うのがおすすめです。

挿し芽はいろいろな種類の草花で行うことができますが、生命力が強い植物ほど成功しやすいでしょう。多肉植物の他、菊・カーネーション・マリーゴールド・ハーブ類が挿し芽で増やしやすい植物として有名です。

なお、多肉植物は挿し芽の他、葉を土に直接置いて発根させる「葉挿し」や根をほぐして2つに分ける「株分け」という方法でも増やすことができます。

2.多肉植物の挿し芽を行う方法

この項では、多肉植物で挿し芽を行うメリットや方法を紹介します。どうすれば、上手に挿し芽ができるのでしょうか?

2-1.多肉植物は挿し芽向き?

多肉植物は、種も販売されていますが、種から育てるのは意外と難しいのです。そのため、増やしたい場合は挿し芽を行います。また、多肉植物は生命力が強く。葉を乾いた土の上に置いておくだけでも発根し、増やすことが可能です。そのため、挿し芽をやったことがないという方でもうまくいきやすいでしょう。

2-2.挿し芽をするメリット

多肉植物は安価なものが多いのですが、大量に欲しい場合は費用もかかります。挿し芽を行えば、同じ種類の植物を新たに購入するよりも安価に増やすことができるでしょう。
また、多肉植物が根腐れした場合、茎の上部を切り取って挿し芽をすれば復活させることもできます。多肉植物をできるだけ長く育て続けたいという方にも、おすすめです。

2-3.挿し芽に向いている多肉植物と向いていない多肉植物

挿し芽は、ある程度茎が長く成長する種類でないとうまく行えません。ですから、ハオルチア ・オブツーサのように葉が主に成長していくようなタイプは、

葉から発根させる葉挿しの方がうまくいきやすいでしょう。
また、サボテンは新芽が出るまでに時間がかかります。サボテンを挿し芽で増やしたい場合は、まず親株を大きくすることから始めましょう。

アロエ属・セネシオ属・コチドレン属に類する多肉植物は挿し芽ができないので、増やしたい場合は株分けを行ってください。

2-4.挿し芽を行う方法

多肉植物の挿し芽は1年を通して行えますが、成長期の春や秋に行った方がうまくいきやすいでしょう。必要な道具は、ハサミと細口の容器だけです。

最初に挿し芽にしたい茎のてっぺんを持ち、清潔なハサミで茎を少し長めに切ります。葉が根元近くまでついている場合は、根元から数えて3枚目くらいの葉付近にハサミをいれるのがおすすめです。

切った茎に葉がたくさんついている場合、下の方を2~3枚取ります。この葉も発根させることができますので、取っておきましょう。

茎の形を整えたら、ペットボトルやワインボトルのように入れ口が細い器に茎を立てておきます。水をやる必要はありません。寝かせておいても発根しますが、茎がUの字に歪んでしまって植えにくくなることがあります。

風通しの良い日陰に数日置いておくと、茎の根元から新しい根が出てくるでしょう。根が十分に出たら新しい鉢に植え替え、数日後にたっぷりと水をあげてください。植えた直後に水をあげると根腐れの恐れがあります。

2-5.葉挿しの方法

挿し芽の時に取り除いた葉は、薄く土を敷いた平たい器に並べて置いて発根を促す葉挿しをしてみましょう。水をやる必要はありません。

2週間ほどすれば、葉の根元から根が出てきます。根が出てきたら、土の中に根を埋めて水をあげましょう。

根が伸びてくるのと同時に、新しい芽が葉から出てきます。そうなったら、植木鉢に植え替えてください。

3.挿し芽を行う場合の注意点

この項では、挿し芽で失敗しないための注意点を紹介します。ぜひ参考にしてください。

3-1.土は多肉植物専用のものを使う

多肉植物を挿し芽で増やす場合、必ず多肉植物専用の土を用意しましょう。多肉植物用の土は園芸用土に比べると水はけがよく、乾きやすいという特徴があります。園芸用土を使うと多肉植物は根腐れを起こしやすいため、うまく育ちません。多肉植物用の土は園芸店やホームセンターで販売されています。少量パックならば、100円ショップでも販売しているところがあるでしょう。

3-2.肥料について

多肉植物を挿し芽する場合、肥料を使う必要はありません。挿し芽で出てきた根はまだ弱いので、肥料を入れると枯れてしまう可能性があります。

3-3.湿気を避ける

多肉植物の挿し芽をする場合は、切り口を完全に乾かさなければうまくいきません。ペットボトルやワインボトルを再利用する場合、水気が残ったものを使用しないようにしましょう。

また、直射日光が当たりすぎても芽が弱ってしまいます。気をつけましょう。

3-4.親株のケア方法

親株も、茎を切り取った後は、切り口をよく乾燥させましょう。切り口がいつまでも湿っていると、そこから腐ってくる可能性があります。水をあげる場合は、切り口にかけないように注意してください。

4.多肉植物の挿し芽に対するよくある質問

Q.多肉植物を切るハサミは、キッチンバサミでもかまいませんか?
A.はい。問題ありません。水気をよくふき取って切りましょう。

Q.根腐れを起こした株から挿し芽をしたい場合、どのような状態ならば復活しますか?
A.葉や茎がぶよぶよになっていなければ、大丈夫です。一刻も早く切り離しましょう。

Q.冬は挿し芽を行っても失敗しやすいのですか?
A.冬は多肉植物の成長が鈍る時期ですから、発根するまでに時間がかかります。その間、切り口が湿ってしまうと失敗しやすいでしょう。毎日観察して乾燥を保ち続けられれば大丈夫です。

Q.サボテンの芽でも挿し芽はできるのでしょうか?
A.はい。可能です。新しい芽が出てきたら切り取って切り口を乾燥させましょう。発根します。

Q.挿し芽と葉挿しでは、どちらが成功率が高いのですか?
A.葉に比べると茎の方が発根率が高いので、挿し芽の方が成功しやすいでしょう。

5.おわりに

いかがでしたか? 今回は挿し芽のやり方や注意点を紹介しました。多肉植物の挿し芽はキッチンバサミやペットボトルなど、家庭にあるものを利用して行えます。多肉植物が成長してきたなと思ったら、挿し芽をして増やしてみましょう。また、寄せ植えを行う場合は、小さい挿し芽で行った方がいろいろなデザインを楽しめます。