サボテンや多肉植物はインテリアとしても人気の植物です。自分で育てたサボテンを部屋に飾って楽しんでみてはいかがでしょうか? サボテンをうまく育てるためには、土が重要なポイントになります。しかし、「サボテンを栽培したいけれどどんな土を使えばよいのか?」「サボテンの用土について知りたい」と悩む人も多いでしょう。この記事では、サボテン用土の選び方や作り方などを詳しくご紹介しましょう。植え替えの方法もご紹介しますのでぜひ参考にしてください。
この記事を読むことで、サボテン栽培に必要な土について分かるはずです。サボテンの栽培をより楽しむために、ぜひチェックしてみてください。
1.サボテン用土について
まずは、用土の種類やサボテンに最適な土の条件などをご紹介します。
1-1.用土とは?
用土とは、園芸用に使われる「植物の育成に適した土」のことです。植物が元気に育つ上で、土はとても重要な役割を持っています。土から水分や養分を吸収する植物にとって、成長を左右するポイントにもなるでしょう。園芸用の用土にはさまざまな種類があり、育てる植物によって適したものがあります。「植物を立派に育てたい」というときは、その植物に適した用土を使用する必要があるのです。
1-2.種類
園芸用の用土には、以下のような種類があります。
1-2-1.培養土
基本的に「園芸用の土」として市販されているのは、培養土です。植物の栽培に適した状態になるよう、複数の用土を混ぜ合わせて作られています。自分で配合する必要がないため、ガーデニング初心者にもおすすめの土といえるでしょう。培養土には、肥料が入っているものと入っていないものがあります。
1-2-2.基本用土
黒土・赤玉土・鹿沼月・腐葉土などのことを「基本用土」といいます。基本用土を数種類ブレンドして好みの土を作るため、園芸上級者向けの土といえるでしょう。育てる植物によって、最適な土をオリジナルブレンドで作ることができるため、土作りに関する知識がある人には大変おすすめです。
1-2-3.改良用土
腐葉土やピートモス・バーク堆肥・木炭など、土の栄養分となるものが「改良用土」です。基本用土に混ぜることで不足している栄養分を補うことができます。単体で使うものではなく、基本用土に混ぜて使用するものです。
1-3.サボテンに最適な土の条件
サボテンの栽培に適している土は、以下のような条件のものです。
- 通気性がよい
- 排水性がよい
- 保肥力がある
- 粒の大きさが均等である
- 保水性が適度にある
1-4.よくない土とは?
サボテンにとってよくないのは、上記の条件を満たさない土です。土を固めて着色したものや、キラキラした土で装飾されたサボテンが売られているのを見かけることがあるでしょう。このような土は通気性も排水性もよくなく、サボテンの栽培には向いていません。インテリアとしてはきれいに見えますが、サボテンが元気に育つ可能性は低いでしょう。早期に枯れてしまうことも多いため、選ばないことをおすすめします。
2.サボテン用土の選び方
サボテン用土の選び方や購入先などをご紹介しましょう。
2-1.選び方のポイント
サボテンの栽培に適した土を選ぶためには、まず粒の大きさをチェックしましょう。粒の大きさが均等な土はすき間が均一になるため、通気性排水性にすぐれています。また、藻やカビが発生していないか確認してから購入するようにしてください。袋に水滴が多くついている土も、カビが発生しやすいため注意が必要です。
2-2.市販用土のメリット・デメリット
特に初心者には、市販されている「サボテンの土」がおすすめです。サボテンの栽培用にブレンドされているため、そのまま使用できるという手軽さが何よりのメリットでしょう。自分でブレンドする必要がない分、費用も抑えられます。ただし、サボテンの品種によって用土を使い分けることができないため、複数の品種を栽培する場合は別に用土を用意しなければならないこともあるでしょう。
2-3.どこで購入できるのか?
「サボテンの土」はホームセンターや園芸店などで購入できます。そのほかにも、インターネットで購入できる多肉植物専門店などでも購入可能です。ホームセンターや園芸店よりも種類が豊富な場合が多いため、ぜひチェックしてみてください。
2-4.注意点
店頭にサボテン用土がなければ、ほかの土で代用することも考えてしまうと思います。しかし、ほかの植物の専用土では栽培に失敗してサボテンが枯れてしまう可能性があるでしょう。サボテンには肥料が強すぎて肥料負けを起こしてしまいがちなのです。代用はせず、サボテン専用の土を探してください。
3.サボテン用土の作り方
オリジナルのサボテン用土を作る方法やポイントをご紹介します。
3-1.オリジナル配合に挑戦しよう
ガーデニングに慣れてきたら、サボテンの品種や状態・環境に合ったオリジナルの土作りをするのもおすすめです。大切なのは、どう改良すべきかを見極めることでしょう。たとえば、保水性を高めたい場合は腐葉土を加え、排水性を高めたい場合は日向(ひゅうが)土を加えるなど、状況に合わせて配合の内容を変えていきます。そのサボテンにとって最適な環境になるように考えてあげましょう。
3-2.用意するもの
サボテン用土を作る際に用意するのは、以下のものです。
- ブレンドしたい用土
- 2種類程度の肥料
- スコップ
- たらい
3-3.作り方、ポイント
サボテン用土の作り方はとても簡単です。ブレンドしたい用土と肥料をたらいの中に入れてスコップで混ぜ合わせるだけで、オリジナルブレンドの土が完成します。サボテン栽培の基本となる土は「赤玉土」「鹿沼土」「日向(ひゅうが)土」です。この3つを基本にして、サボテンの種類や栽培する環境によって「腐葉土」や「バーミキュライト」などをプラスしていきましょう。
3-4.注意点
赤玉土を使う場合は、混ぜ合わせる前にふるいにかけて細かすぎる土を取り除いておきましょう。粒が細かいものが混ざっているため、そのままブレンドすると水はけの悪い土に仕上がってしまいます。
4.サボテンの植え替え方法
サボテンの植え替え時期や方法、注意点などをまとめてご紹介します。
4-1.植え替えの時期
サボテンは植え替えをすることで大きく成長し、長く栽培を楽しむことができます。植え替えは基本的に1年中可能ですが、暑すぎたり寒すぎたりする時期は失敗する可能性があるため、できるだけ春や秋に行うのがおすすめです。植え替えが必要かどうかを判断するためには、以下のポイントをチェックしてみてください。
- 株が大きく成長し、鉢とのバランスが悪くなってきている
- 鉢の底から根が張り出している
- 水はけが悪くなってきた
4-2.用意するもの
植え替えの前に以下のものを用意しておきましょう。
- 今使っているものよりも一回り大きな鉢
- サボテン用土
- 剪定(せんてい)ばさみ
- 割りばし
- 鉢底の土
- 厚手の手袋
4-3.植え替え方法
サボテンを植え替える手順をまとめました。
- 厚手の手袋をはめて、サボテンの根を鉢から抜き取る
- 伸びすぎた根をカットする
- 鉢底の穴をふさぎ、「鉢底の土」を2cm程度入れる
- サボテンの根を鉢に入れ、サボテン用土で植え込む
- 割りばしを使って用土をなじませる
4-4.サボテンに好適な環境とは?
サボテンの栽培に適した環境についてご紹介します。
4-4-1.日当たりについて
サボテンが元気に育つように、好適な環境について知っておきましょう。サボテンは日光を好みます。日当たりがよく風とおしのよい場所を選んで置くようにしてください。室内で育てる場合は、最低でも1日3~4時間は日光が当たるようにしましょう。ただし、真夏の強すぎる日光は日焼けを起こす原因になるため、レースのカーテン越しに置くなど工夫してください。
4-4-2.温度について
サボテンは暑さにも寒さにも強いため室内であれば温度管理は特に必要ないでしょう。ただし、熱帯夜を苦手とするため、真夏の夜間は涼しい部屋に移動してあげるのがおすすめです。
4-4-3.水やりについて
サボテンの水やりは、季節によって変える必要があります。特に生育が盛んになる春や秋は、表面の土が乾いたらたっぷりと水を与えてください。生育が止まる3月や11月は、2週間に1回程度の水やりで問題ないでしょう。真冬の低温期には、3~4週間に1回程度与えるようにしてください。
4-5.植え替えや栽培のポイントと注意点
サボテンを植え替える際や栽培時のポイントや注意点をまとめました。
- 植え替えの1週間前から水やりを控え、土を乾かしておく
- 根を切る剪定(せんてい)ばさみは消毒してから使う
- 植え替え直後は水やりをしない
- 肥料を与える際は少しずつ、複数回に分ける
- 休眠期(12~2月)には肥料を与えない
5.サボテン用土に関するよくある質問
「サボテン用土について知りたい」という人が感じる疑問とその回答をまとめました。
Q.通気性の悪い土を使うとサボテンはどうなりますか?
A.根腐れを起こし、枯れてしまう可能性が高いでしょう。通気性がよいことはサボテン用土の絶対条件です。
Q.サボテンの植え替えをしようと思います。どのような鉢が適しているでしょうか?
A.株よりも一回り大きなサイズの鉢を選んでください。ただし、大きすぎると土が乾きにくくなり、根腐れを起こす可能性があります。
Q.植え替えをしないとどうなるのでしょうか?
A.数年間植え替えをせずにいると、土の栄養が減ってしまうのです。また、排水性も衰え、サボテンが元気に育つことができる環境ではなくなってしまいます。
Q.植え替え後はすぐに日光に当てるべきですか?
A.植え替え直後のサボテンはデリケートな状態になっています。直射日光に当てると枯れてしまう可能性があるため、1~2週間は半日陰で管理してください。
Q.植え替えをしようとしたらサボテンを土から抜き取ることができません。どうしたらよいでしょうか?
A.水を張ったバケツに鉢ごと沈めて土を湿らせてください。5分ほどたつと土が柔らかくなり、取り出しやすくなります。
まとめ
いかがでしたか? サボテン用土の選び方や作り方、植え替えの方法などをまとめてご紹介しました。サボテンは簡単に育てられるというイメージがあると思いますが、しっかりとポイントを押さえておかなければ失敗してしまう可能性があります。特に土は重要な要素になるため、どのようなものを用意すべきなのか、ぜひこの記事を参考にして知ってください。