「多肉植物の水やりっていつが最適なんだろう」とお悩みではないですか?ふっくらした葉っぱがキュートな多肉植物は、もともと乾燥地帯に育つ植物なので葉や根に水分をたっぷりと貯蓄しています。そのため、毎日水やりをする必要はありません。けれども、水やりの手間がかからない分、いつ水をあげていいのかタイミングが難しいですよね。そこで、多肉植物の水やりの正しいタイミング・水の量・方法・ポイントなどをご紹介します。
この記事を読んでいただければ、多肉植物の水やりに関するお悩みが解決できるでしょう。ぜひ参考にしてくださいね。
1.多肉植物の水やりのタイミング
多肉植物を枯らしてしまわないためにも、まずは水やりのタイミングに関しての基礎知識を覚えましょう。
1-1.タイミングについて
多肉植物を育成していると「水やりに最適なタイミングっていつなんだろう?」と悩みますよね。というのも、多肉植物は一般的に「水やりはほとんど必要ない」といわれているからです。そのため、自己流の水やりをして「乾燥し過ぎで枯れてしまった」「水のあげ過ぎで腐ってしまった」いうトラブルを引き起こしてしまいます。
多肉植物は、ぷっくりとした肉厚の葉に水分を蓄えているため、毎日水やりをする必要がありません。だからこそ「最適なタイミングを覚えておくこと」が大切になるです。
1-2.こんなときに水をあげよう
多肉植物の種類によっても異なりますが、基本的には以下のようなときが「水やりの最適なタイミング」だと覚えておきましょう。
- 鉢の土が完全に白っぽくなり乾燥状態になっている
- ふっくらプリっとしている葉のハリが失われ元気がない
土の表面が乾き始めると「水をあげなくて大丈夫?」と心配する人もいるでしょう。けれども、上記の状態になるまでは、ぐっと我慢することが大切です。多肉植物にとっては「この状態こそ水やりのベストタイミングなのだ」ということを忘れないでくださいね。
2.多肉植物の水やりの量
多肉植物の水やりは、前項でご紹介したようにベストタイミングを見極めることが必要ですが「水の量」も大切です。最適な水の量と水のやりすぎ・水やり不足の状態についてご説明しましょう。
2-1.どのくらいの量をあげるべきか?
水やりのベストタイミングを迎えたとき、「水の量」はどれくらい必要なのでしょうか。
基本的には「たっぷりとあげる」のが最適です。具体的には「鉢底から水が流れ出すまで」と覚えておいてください。ただし、受け皿にたまった水は捨てるようにしましょう。
水の量は、多肉植物の種類や成長の度合いによっても異なります。詳しくは後の項でご説明するのでそちらも参考にしてくださいね。
2-2.水やりし過ぎと水やり不足の目安
多肉植物は水やりし過ぎ・水やり不足になると、どのようになってしまうのでしょうか。解決策も含めてご説明します。
2-2-1.水やりのし過ぎ
- 葉のハリがなくなりブヨブヨしている
- 葉がグリーンから黄色に変色している
こうなった場合は、「1-2.こんなときに水をあげよう」でご紹介したタイミングどおりに水やりをするようにしてください。また、風通しの悪い場所に鉢を置いている場合は、柔らかい日差しが当たる、風通しがいい場所に移動して様子を見るようにしましょう。
2-2-2.水やり不足
- 葉がシワシワになってしまった
- 葉がミイラのように乾いてしまった
葉にハリがなくなったのを見過ごしてしまい、完全に水不足になってしまった状態です。シワシワになる前に水をあげてください。また、強い直射日光が当たる場所に鉢を置いている場合は、前項同様に柔らかい日差しが当たる、風通しがいい場所に移動しましょう。
3.多肉植物の水やりの方法・ポイント
前項では、基本的な水やりのタイミングや水の量などをご紹介しました。ここでは、より具体的なポイントや注意事項などをご説明しましょう。
3-1.水は何であげるのか?
「植物の水やり」と聞くと、ジョウロでシャワーのように水をあげるシーンを浮かべますよね。けれども、多肉植物にジョウロはNGです。水やりのときは「葉に水がかからない」ようにしてください。以下の道具があると、土だけに水をあげられるので便利です。
- ビーカーのように一部が注ぎ口になっているもの
- 急須のように細長い注ぎ口があるもの
- 100円均一ショップなどで売っている「つる首状のポリボトル(※)」
※つる首状のポリボトル:「ポリ洗浄ボトル」ともいい、細いノズルの先がU字を描くように下向きに曲がっているもの。
3-2.生育期により水やりも変えよう
多肉植物は、種類によって「夏型」「冬型」「春秋型」の3つに分類されます。そして、どの「型」にもそれぞれ「生育期」と「休眠期」があるのです。
- 生育期:水をたっぷりあげる
- 休眠期:ほぼ断水する
上記が基本ですが、「生育期の季節」によって水やりの工夫が必要です。
3-2-1.夏型の多肉植物
- 生育期:春〜秋
- 休眠期:冬
- 代表的な種類:アロエ・アガペ・パキポディウム・アデニウム・カランコエなど
※水やりのポイント:3月くらいから徐々に水の量を増やし5月〜9月はたっぷりあげる。10月から徐々に水を減らし11月〜2月間は断水。
3-2-2.冬型の多肉植物
- 生育期:秋〜春
- 休眠期:夏
- 代表的な種類:アエオニウム・ダドレア・プレイオスピロス・フォーカリア・リトープスなど
※水やりのポイント:11月〜4月はたっぷり水をあげ、5月から徐々に水の量を減らし6月〜9月は断水。10月から徐々に水の量を増やす。
3-2-3.春秋型の多肉植物
- 生育期:春と秋
- 休眠期:真夏と真冬
- 代表的な種類:オロスタキス・アドロミスクス・ガステリア・セダム・エケベリアなど
※水やりのポイント:3〜5月、9月〜11月はたっぷり水を与え、冬は1か月に1〜2回、夏は1か月に3〜4回水やりをする。
3-3.注意点
多肉植物は、毎日水やりに気を使う必要がないのでつい放置をしてしまいがちです。けれども、健やかな成長のために「常に観察すること」を心がけましょう。毎日気にかけていれば変化に気が付くのでトラブルを防ぐことができます。また、自分の多肉植物が「夏型」「冬型」「春秋型」のどの分類に入るのかをきちんと確認して、それにあった水やりをすることも大切です。
3-4.そのほか
多肉植物を育成するときには、以下のことにも気を配ってあげましょう。
- 高温多湿の場所は避け風通しのいい場所に置く
- エアコンの風が直接当たる場所に置くのは避ける
- グラプトベリアやハオルチアなどは真ん中に水がたまると乾きづらいので水やりには気をつける
4.多肉植物の水やり〜よくある質問〜
多肉植物の水やりに関してよくある質問をご紹介しましょう。
Q.鉢の土がどこまで乾いたら水やりしていいのか、よくわかりません。
A.鉢の土に竹串を刺す方法がおすすめです。時々、竹串を引き上げて触ってみましょう。ぬれていたら水やりをする必要はありません。竹串が8割以上乾いた状態になってから水やりをしてください。
Q.トイレに多肉植物を飾りたいのですが大丈夫でしょうか。
A.多肉植物は乾燥に強く毎日水やりの必要もないのでトイレのインテリアにも向いています。ただし、日当たりを好むのでトイレに窓がない場合は、多肉植物を2セット用意してください。1つをトイレに飾っている間はもう1つを日差しの当たる窓辺に置くようにして、2週間サイクルで取り替えましょう。
Q.初心者向けの多肉植物を教えてください。
A.以下の種類は初心者でも育てやすいのでおすすめです。
- ブロンズ姫:丈夫で寒さに強い。秋には赤銅色に紅葉する
- 星美人:日光を好むので日差しの当たる窓辺などが最適
- 虹の玉:木の実のような丸い葉っぱが特徴的。湿気や寒さに強い
- ルビーネックレス:ネックレスのように垂れ下がる性質なのでつり鉢にすると映える
Q.多肉植物の下のほうの葉っぱが枯れてぽろっと落ちています。水不足でしょうか。
A.下の葉が落ちるのは成長過程として自然なことなので大丈夫です。
Q.葉に黒い点が生じてきたのですが病気でしょうか。
A.多肉植物は湿気に弱いので、梅雨〜夏にかけて葉に黒い点が生じる「黒斑(こくはん)病」にかかりやすくなります。枯れることはないので新しい葉が生えるまで待ってください。風通しがよく湿度の低い場所に置くようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか? 多くの人がお悩みの「多肉植物の水やり」に関して、水やりのタイミングや方法などの情報をご紹介しました。
多肉植物は丸みのある肉厚の葉がかわいらしく、個性的な形のものばかりでインテリアとして人気があります。通常の草花よりも丈夫で、毎日水やりの必要もなく長生きするのも魅力です。けれども、水やりの方法を間違ってしまうと枯らしてしまうこともあります。「生き物」なので毎日しっかりと状態を観察してあげましょう。
また、ひとくちに多肉植物といっても種類は豊富で、それぞれに適した水分量や環境があります。この記事を参考にして、自分の多肉植物に最適なお世話をしてあげてくださいね。