なぜ必要? サボテンを胴切りする理由と成功させるポイント

サボテンは、お世話が簡単な観葉植物として、幅広い世代に人気があります。サボテンのお世話は基本的に水やりと定期的な植え替えだけですが、「放っておいたら根腐れをしてしまった」というケースも珍しくありません。また、サボテンは成長すると子株ができることもあります。こんなとき、必要なのがサボテンの「胴切り」という作業です。

今回は、サボテンの胴切りの方法や行うべきときなどを解説しましょう。

  1. サボテンの胴切りとは?
  2. サボテンを胴切りする環境を整える
  3. サボテンを胴切りする方法
  4. 胴切りが終わった後は?
  5. よくある質問

胴切りを正しく行うことで、あなたの大切にしているサボテンを病気から守り、元気に育てることができるのです。

1.サボテンの胴切りとは?

サボテンの胴切りとは、文字どおりサボテンの茎(胴体)部分を切る処置です。サボテンは本来砂漠などの乾燥した地域に生えている植物なので、水のやり方が悪かったり湿度が高すぎたりすると茎が腐ることがあります。また、土の中にある病原菌が根から侵入し、根から茎が腐ることもあるでしょう。サボテンは生命力が強いので、腐った部分を取り除けば、残った茎から新しい根が出てきます。

また、サボテンの茎から子株が出てきた場合は、そこを切り取れば、子株から新しい根が出てきてサボテンを増やすことが可能です。これも胴切りの一種になります。

サボテンは胴切りして増やすことができるんですね。
はい。また、枯れかけたサボテンを蘇生させるためにも用います。

2.サボテンを胴切りする環境を整える

サボテンの胴切りはサボテンに負担をかけます。ですから、サボテンの胴切りを上手に行うためにはその環境を整えることが必要です。胴切りを行う場合は涼しく乾燥した場所で行いましょう。夏の暑い時期には室内の涼しい場所で胴切りをしてください。とはいえ、エアコンの風が直接当たるような環境でもサボテンが弱ってしまうので注意してください。

サボテンの胴切りは環境を整えて行うことが大切なんですね。
はい。不用意に行うとサボテンが枯れてしまいます。

3.サボテンを胴切りする方法

3-1.切れ味の良いナイフで大胆に胴切り

胴切りする環境が整ったらいよいよ胴切り開始です。小さなサボテンなら切れ味の良いナイフをアルコール消毒して使います。切りたい部分を大胆にカットしてください。直径30cm以上の大きなサボテンの場合はのこぎりを使っても大丈夫です。この場合も消毒してから使いましょう。植え替え目的の胴切りならどこからカットしても問題ありません。根腐れを治すための胴切りする場合は腐敗菌で色が変わったところが無くなるまで切り取りましょう。少しでも腐敗菌が残っていると病気が再発してしまうからです。

3-2.切り口を整える

胴切りが終わったらサボテンの切り口を整えてください。植え替え目的で胴切りをした場合、鉢植えになっている方のサボテンはそのまま育てても問題ないと言われています。直射日光を避けて切り口を乾燥させましょう。今までとは違った形のサボテンを作ることができますよ。
鉢植えになっていない方のサボテン・根腐れ部分を切除したサボテンはもう一度植え替える必要がありますよね。植え替えやすいように切り口の真ん中を尖らせるイメージで周りをカットしておきましょう。一通りカットしたらアルコールで消毒し30分位日光に当ててください。

3-3.注意点

注意を一言。日に当てすぎると切断面が痛むので注意しましょう。その後、直射日光の当たらない涼しい場所で切り口を完全に乾燥させます。小さなサボテンの場合は1週間程度で乾燥させることが可能ですが、大きなサボテンは2ヶ月以上乾燥させる必要がありますよ。

サボテンの胴切りは思いきりよくすることが大切なんですね。
はい。サボテンは生命力が強いので、半分になっても復活します。

4.胴切りが終わった後は?

サボテンの切り口が完全に乾燥したら、今度は発芽に備えます。乾燥していた断面を下にして新聞紙で包み、直射日光の当たらない乾燥した場所で発芽を待ちましょう。早い物だと1週間位で発芽します。時期やサボテンの種類、大きさによっては1ヶ月以上かかる場合もありますよ。気長に待ちましょう。サボテンが発芽したら清潔な新しい土に植え替えて完了です。

胴を切り終わったら、よく乾燥させて発芽を待つんですね。
はい。涼しく乾燥した場所に置いておきましょう。

5.よくある質問

Q.サボテンはどんな種類でも胴切りができますか?
A.はい。基本的には行えますが、あまり小さいものですとうまくいかないこともあります。

Q.サボテンの根腐れはどのような症状が現れるのでしょうか?
A.根腐れは根の部分だけが腐っている段階では気づきにくいのですが、症状が進んでくると土に近い茎の部分がぶよぶよしてきます。とげが抜けたり茎全体が傾いてきたりすることもあるでしょう。

Q.サボテンの子株とはどのようなものですか?
A.サボテンの茎の一部がこぶのように盛り上がり、小さなサボテンが生えてきます。これを切って乾燥させておけば、根元から発根するでしょう。

Q.根腐れが起こったら、薬などで治すことはできませんか?
A.残念ながら、劇的に効果のある薬剤がないので、胴切りが最も有効な手段です。

Q.サボテンは花が咲けば子株が増えるのでしょうか?
A.いいえ。花が咲かなくても子株ができます。

まとめ

今回はサボテンの胴切りの方法を中心に解説しました。一見すると大変そうに見える胴切りですが、消毒をしっかりと行えば、切り口から細菌感染を起こすこともありません。大切なサボテンが根腐れしてしまったという場合は、諦める前に胴切りを試してみてください。