実は難しい? サボテンの育て方 4つの注意点

「植物を育てるのが苦手な人でも、サボテンなら育てられる」という話をよく聞きますよね。でも、実はサボテンの育て方は言われているほど簡単なことではありません。確かにサボテンは他の植物のようにこまめに水やりをする必要がないので育てるのが楽なイメージがありますが、実は意外と管理するのが難しい植物なのです。「水をやらなくても勝手に育つ」と思って何の管理もせずに放っておくと、腐ったり乾燥したりしてサボテンがダメになってしまいます。

サボテンは独特な雰囲気を持っていて見ているだけで癒される植物なので、ぜひ正しい育て方を知って立派に育ててあげてくださいね。では、置き場所や水やりの注意点・植え替えや増やし方など、サボテンを育てる上で知っておいてもらいたいことをご紹介します。

  1. 季節によって置き場所を変える
  2. 土の表面が乾いてから水やりをする
  3. サボテンの植え替えは春か秋に
  4. 挿し木で増やすのがおすすめ

1.季節によって置き場所を変える

1-1.夏は暑くなり過ぎない場所に置く

サボテンは他の植物同様、太陽の光を吸収して成長します。なので、1年を通して日光がよく当たる場所に置いてあげるようにしましょう。しかし、暑さにはあまり強い植物ではありませんので、夏場は直射日光が当たらないように注意してください。

窓辺に置く時はレースのカーテン越しに、なるべく風通しの良い状態にしてあげましょう。特に西日が当たり過ぎないように注意しておかないと、サボテンが暑さに負けてしまいます。直射日光が当たりすぎると、茶色に変色したり日焼けによって枯れてしまう可能性があるということを覚えておいてください。

1-2.冬は暖房の効いた部屋に置かない

サボテンは冬になると休眠しますが、その間も出来るだけ日光が当たる場所に置いてあげることがおすすめです。暑さが苦手な植物と言っても、寒すぎるのも問題です。窓辺などに置いておくと朝晩の冷え込みのせいで凍ってしまう可能性がありますので、夜になる前に別の場所に移してあげましょう。ただし、暖房の効いた部屋には置かないようにしてください。特に寒冷地では温度調節が非常に難しくなりますので、十分注意が必要になります。

1-3.外にサボテンを置く時は雨よけを忘れずに

ベランダや軒下などの屋外でサボテンを育てる場合は、雨よけを忘れずに用意してください。サボテンはあまり水をやりすぎると弱ってしまう植物なので、雨に当たり過ぎるのは良くありません。ビニール袋を飛ばないように工夫して被せてあげるくらいで十分でしょう。ただし、梅雨期など雨の多い時期は、サボテンを外で育てるのは好ましくありません。サボテンは湿気が苦手なので、この時期は室内に置いてあげるようにしましょう。

サボテンは乾燥気味で暑すぎない場所に置くといいんですね。
はい。サボテンは乾いた荒れ地に自生する植物なので、それに近い環境にしてあげましょう。

2.土の表面が乾いてから水やりをする

2-1.春と秋の水やりはたっぷりめに

サボテンは他の植物と違って、毎日のように水やりをする必要はありません。しかし、温かさや寒さによって水やりの量を調整してあげないと、上手く育たないので注意が必要です。春と秋のように昼と夜の温度差が激しい季節は、少したっぷりめに水やりをしてあげましょう。

この季節はサボテンにとって成長期に当たるので、鉢皿から溢れるくらい水をあげても大丈夫です。水やりのペースは大体1週間~10日前後に1回で、土の表面を触ってみて乾いたと感じたらその2~3日後が水やりのタイミングです。

2-2.夏は少なめが基本!

暑い季節になるとつい植物に多めに水をあげたくなりますが、サボテンの場合は逆です。昼と夜の温度差があまりない季節はあまり成長しないので水を必要としません。必要としてないのにたっぷりと水やりしてしまうとサボテンを腐らせる原因になりますので、やりすぎには注意です。月に2~3回程度、鉢の中が乾燥でカラカラになりすぎないように注意しながら少なめに水やりをしてください。

2-3.冬はぬるめの水を用意

前述した通りサボテンは気温差があまりない季節には成長しませんので、冬の水やりも少なめで問題ありません。冬に水やりをする際は、サボテンの体温が下がってしまわないように、15度~20度くらいの温めの水で水やりするようにしてください。あまり冷たすぎる水を使用しないように気を付けましょう。

土が乾いてからたっぷりとあげるのがコツなんですね。
はい。霧吹きでサボテンに水をかけるだけでは、水やりしたことにはなりません。

3.サボテンの植え替えは春か秋に

3-1.成長期に植え替えするのがベスト

成長して大きくなってくると、いずれ大きめの鉢への植え替えを考える時期がやってくるでしょう。サボテンのサイズに合わない小さな鉢で育て続けていると、サボテンの成長がストップしてしまいます。いつでも植え替えをしていい、というわけではなく、サボテンの植え替えには最適な時期というものがあるのでぜひ覚えておいてください。

サボテンには成長期と休眠期があり、植え替えに最適なのは成長期に当たる春か秋です。休眠期である夏や冬、梅雨期に植え替えをするとサボテンを弱らせてしまう原因になりますので、この時期は避けるようにしてください。

3-2.植え替えの前に土を乾燥させておく

水やりの説明でもご紹介しましたが、サボテンは毎日水やりをする必要がありません。これは、内部に水分を蓄える性質があるためです。鉢から取り出す際にサボテンに出来るだけ負担をかけないように、数日前から水やりをストップし、土を乾燥させた状態にしておいてください。その方が、鉢からサボテンを取り出しやすくなりますので、作業が楽に済みます。

3-3.植え替えた直後は水をやらない

植え替えの直後は、しばらくサボテンを直射日光の当たらない場所に置いておいてください。植え替えをしたらすぐに水やりをしたくなると思いますが、一週間~10日ほどは水やりをしないようにしましょう。植え替え直後の水やりはサボテンを腐らせてしまう原因になります。サボテンの様子をよく観察して、順調に育っているようならよく晴れた日に水やりを開始してみてください。

植え替えは春か秋がおすすめなんですね。
はい。それに加えて、植え替え直後は1週間くらい水やりをせずに様子をみてください。

4.挿し木で増やすのがおすすめ

4-1.種をまいて増やす

サボテンの花を受粉させると実がなり、この実から取り出した種をまいてサボテンを育てる方法です。しかし、種からサボテンを育てるのは大変難しいので、まずはサボテンの栽培に慣れてからの方がお勧めです。

4-2.挿し木で増やす

サボテンの上や横から小さな枝のようなサボテンが出てきたら、増やすチャンスです。この小さなサボテンを根本からカッターで切り取り土の上に乗せるようにして植えます。この時、植える前に日陰で2~3週間乾燥させておいてください。根っこが出てきたら少しずつ水やりを開始しましょう。

4-3.接ぎ木で増やす

サボテンの上に別のサボテンを乗せると、下のサボテンから栄養をもらって育てることが出来ます。乗せると言ってもただ乗せるだけでなく、台木となるサボテンを水平に切り上に乗せるサボテンは値を切り落とします。両方のサボテンの移管束が合うように重ね合わせ、糸などを使って固定してください。

この時、サボテンを痛めないように十分注意しましょう。そのままの状態で日陰に1~2週間ほど置くと接着します。ひとつのサボテンに違う種類のサボテンを増やしたいならこの方法で良いのですが、2種類のサボテンを固定するのは難しい作業なので、単純にサボテンを増やしたいだけなら挿し木がおすすめです。

サボテンは接ぎ木で増やすことができるんですね。
はい。その他にも、サボテンの種類によっては子株が自然と生えてくることがあり、それを切り取って増やすこともできます。

まとめ

サボテンを立派に育てるためには、いくつも知っておかなければならないことがあります。

  • 季節によって置き場所を変える
  • 土の表面が乾いてから水やりをする
  • 春か秋に植え替えする
  • 挿し木で増やすのがおすすめ

この4つの注意点を守って、サボテンの栽培を楽しんでください。