観葉植物の加湿効果は? 実は加湿器よりも優秀?

一雨ごとに暖かさが増す季節になりました。冬の間乾燥に悩まされたという方も多いでしょう。加湿器を使ったり部屋にタオルを吊るすなど、部屋の湿度をあげる方法はいろいろありますが、今年は観葉植物で加湿をしてみてはいかがでしょうか?

今回は植物の加湿効果やメリットをご紹介します。オフィスに飾ってあるおしゃれで大きな観葉植物でなくても、サボテンや多肉植物が部屋にあるだけで加湿効果があるのです。冬の間部屋が乾燥してつらかったという方はぜひこの記事を読んでみてください。観葉植物を育てたくなるかもしれませんよ。

  1. 部屋の加湿はなぜ必要?
  2. 植物が加湿器代わりになる理由は?
  3. 加湿に適した植物は?

1.部屋の加湿はなぜ必要?

この項では、なぜ部屋には適度な湿度が必要なのかをご紹介します。最近は夏でも加湿が必要という部屋が増えているのです。

1-1.乾燥は美容の大敵

部屋の湿度は男性よりも女性が敏感です。過度の乾燥は肌から水分を奪い化粧ののりが悪くなったり、しわができやすくなったりします。特に目元や口元など皮膚の柔らかいところは要注意でしょう。

しわというと年配の人の悩みというイメージがありますが、過度に乾燥した場所に長時間いると、若い人でもしわができやすくなります。また、皮膚が弱い人の場合は乾燥が原因でかゆみが出てくる場合もあるでしょう。

1-2.乾燥しすぎた部屋は病気が流行りやすい

風邪のウィルスは冷たく乾燥した場所を好みます。冬にインフルエンザをはじめとする感染性の病気が流行るのは、ウィルスが繁殖しやすい環境だからでしょう。しかし現在は夏でも冷房を肌寒いくらいに効かせている場所も少なくありません。

また、ご存じの通り、冷房を長時間かけていると空気が乾燥します。これはまさに風邪のウィルスが繁殖しやすい環境です。最近は夏に風邪が流行ることが多いのは、冷房の効きすぎた場所が多いせいかもしれません。

1-3.喉や鼻の粘膜がダメージを受けるかも

乾燥しすぎた空気を吸い込むとのどや鼻の粘膜から水分が奪われます。ホテルなど空気が乾燥しやすい部屋で寝ると、翌朝喉が痛くなっている方も少なくないでしょう。喉や鼻の粘膜がダメージを受ければ、風邪にもかかりやすくなります。

また、鼻血が出やすくなる人もいるでしょう。病気予防にも適度な加湿は必要なのですね。

2.植物が加湿器代わりになる理由は?

では、なぜ植物を部屋に置くと加湿器代わりになるのでしょうか? この項では植物が加湿器になる理由とそのメリットをご紹介します。

2-1.植物は自分で居心地の良い環境を作る

植物は根から水を吸収し、葉の気孔から酸素とともに水分を放出します。植物は動けない分、自分でこまめに周囲の環境を調節するのです。つまり、乾燥していると判断すると気孔から盛んに水分を出して部屋の湿度をあげます。人間はもともと森の中で暮らしていましたから、植物が心地よいと感じる湿度は人間にも心地が良いのです。つまり、部屋に植物があれば常に快適な湿度が保ちやすくなります。

2-2.電気代もかからない

加湿器などの家電で加湿をすると電気代がかかります。植物で加湿をすれば、水をやるだけであとは放っておいても大丈夫でしょう。とてもエコですね。また、仕事が忙しいと加湿器の管理まで手が回らないでしょう。そんなときも植物ならば問題ありません。水さえ切らさなければ後は自分で適度な湿度を保ってくれます。

2-3.癒し効果が期待できる

植物の緑には人の心を落ち着かせる効果があります。これは、はるか昔に人間が森の中で暮らしていた名残です。外敵に襲われにくい森の中で暮らしていた記憶が脳の中に残っているのでしょう。

現代はストレス社会といわれ、ストレスがたまりすぎて体調を崩す人も少なくありません。すべてのストレスが植物で解消するというわけではありませんが、穏やかな緑や美しい花を身近で見続けられるような生活をしていれば、ストレスもたまりにくくなるでしょう。

3.加湿に適した植物は?

では、部屋の加湿が目的で植物を置きたいという場合は、どんなものを選べばよいのでしょうか? この項では加湿に適した植物をご紹介します。

3-1.育てやすいものならば何でも大丈夫

どんな植物でも一定の加湿効果があります。ですから、ことさら「加湿に適した植物」を探さなくても、普通の観葉植物で十分でしょう。むしろ珍しい植物を求めてしまうと、お世話が大変です。「観葉植物」というくくりで売られているものはお世話が簡単で育てやすいものが大半なので、最初のひと鉢は観葉植物を求めればよいでしょう。

3-2.サボテンや多肉植物でも問題ない

観葉植物というと、オフィスやショップに置いてあるようなすらりと背が高い木をイメージされる方も多いでしょう。しかし大きな観葉植物はお世話が大変ですし、値段も高いです。両手で抱えられるくらいの小さなサイズでも問題ありません。

また、初心者でも育てやすい観葉植物の筆頭はサボテンや多肉植物ですが、この2つでも十分に加湿効果があります。ただし小さいものが多いので、広い部屋を加湿したいという場合は数か所に置いてみるとよいでしょう。

3-3.半日陰でも育つものが便利

きれいな花を咲かせる観葉植物を育てたいという方もいるでしょう。しかし、花が咲くには日光が必要です。観葉植物は室内で育てる場合が多いですから、場所によってはあまり日に当たれないものも多いでしょう。

花を頻繁につける観葉植物を買ってしまうと、日照不足ですぐに元気がなくなってしまうかもしれません。ですから、最初のひと鉢は多肉植物やサボテンなど育てやすいものをチョイスし、慣れてきたら花の咲くものを選んでみてはいかがでしょうか?

3-4.多肉植物やサボテンは水やりの仕方に注意しよう

さてここまで読んでいただいた方の中には、早速多肉植物やサボテンを育ててみようと思った方もいるかもしれません。多肉植物やサボテンは放っておいても育つ、というイメージがありますが、実は水をやりすぎるとかえって元気がなくなってしまうのです。加湿目的で多肉植物やサボテンを買うとつい水を毎日与えたくなってしまう人もいるでしょう。

しかし、多肉植物やサボテンは鉢の土が完全に乾いてから水をあげるくらいでちょうどよいのです。多肉植物たちは葉の中に水を蓄えられますから、水をあげなくても加湿機能に問題はありません。鉢の土が完全に乾燥してから、たっぷりと水をあげてください。これで多肉植物は元気に育ちます。

おわりに

今回は植物の加湿効果やメリットについてご紹介しました。

まとめると

  • 植物は周囲の環境を自分に適したものにするため適度な加湿効果がある
  • 植物は調節しなくても人にとっても適した湿度にしてくれる
  • 電気代もかからずエコ
  • 多肉植物やサボテンはお世話に手間もかからずに育てやすい

ということです。

多肉植物やサボテンならば、かわいらしくデコレーションされたものも売っています。おしゃれな部屋のインテリアとしてもぴったりですね。

また、あまり有名ではありませんがサボテンはそれは美しい花を咲かせます。お世話をし続けていればいつか綺麗な花が見られるかもしれません。さらに多肉植物は株分けが簡単ですので、小さなひと鉢を買ってくれば1年後には2倍~3倍に増えている可能性もあります。植物のお世話に慣れてきたら、ぜひ株分けをしてみましょう。保湿効果も高まり一石二鳥です。