多肉植物の「夏型」「冬型」それぞれの特徴と育て方・見分け方について

サボテンは、代表的な多肉植物です。砂漠などの乾燥地帯で元気良く育つことができる点から、園芸初心者でも育てやすい植物として人気が出ています。ところで、多肉植物には、主に、「夏型」と「冬型」の2種類があることを知っていますか?

夏型と冬型によって特徴や育て方が異なるため、注意しなければなりません。それぞれの特徴・育て方、夏型と冬型の見分け方について説明します。多肉植物の購入を考えている人は、ぜひチェックしてくださいね。

  1. 夏型の特徴や育て方
  2. 冬型の特徴や育て方
  3. 夏型と冬型の見分け方

1.夏型の特徴や育て方

多肉植物の種類はとても多く、ほとんどのホームセンターや園芸店で購入できます。主な種類をあげるなら、「夏型」と「冬型」にわかれるでしょう。それぞれ特徴や育て方を把握しなければ失敗するので、注意してくださいね。夏型の特徴・育て方について説明します。

1-1.初夏~秋に生育、冬は休眠する

夏型の多肉植物は、初夏から秋にかけて成長します。そして、冬になると休眠状態に入るのです。夏型の生育適温は、およそ20℃~30℃と言われています。そのため、初夏~秋が最適な成長条件になるのでしょう。生育真っ盛りの時期になるため、暑い日差しが降り注ぐ中でも元気良く育つことができます。夏型の多肉植物は、ほとんどが日差しを好むでしょう。日差しが降り注ぐところに置いておかなければなりません。

しかし、注意してほしいことが1つだけあります。夏型の中には、暑さに弱い多肉植物もあることです。決して、すべての多肉植物が暑さに強いとは限りません。たとえば、姿形の美しさで有名な「エケベリア」は、生育適温がおよそ10℃~25℃です。30℃を超えるような暑さだと、一気に弱まる恐れがあるので注意してくださいね。

1-2.夏型の育て方

多肉植物の育て方を、「水やり」「置き場所」「植え替え」「肥料」の4つにわけて説明します。夏型の場合、乾燥には非常に強い植物です。冬は休眠状態に入るため、できるだけ冬は水やりを控えてください。春・秋は表面が完全に乾いてから2~3日後に水やりを繰り返していきましょう。夏場は月に3回程度で大丈夫です。置き場所は、日当たりが良いところが最適と言われていますが、夏は暑すぎてダメになってしまうケースが多いでしょう。そのため、暑さがひどくなる夏場は日差しが強くなる時間帯は避けてください。

冬は、日当たりの良い場所が最適です。植え替えは、5・6月、9月ごろがベストになるでしょう。2年に1回の植え替えをしてくださいね。肥料は、生育時期である5~6月と秋に月2回ほど与えましょう。2,000倍に薄めた液体肥料を与えるだけで元気に育ちますよ。

1-3.夏型の多肉植物とは?

多肉植物にはさまざまな種類があります。夏型の多肉植物と言えば、1番にあがるのが「アロエ」ですね。アロエは、食べることもでき、やけどをしたときの対処法にも役立ちます。

ほかにも、エケベリア・オロスタキス・ガステリア・カランコエ・クラッスラ・セダム・コチレドン・グラプトペタルム・セダム・パキフィツムなど、さまざまな種類があるでしょう。それぞれ耐暑性が優れており、種類によっては耐寒性の植物もあるので、ぜひチェックしてみてくださいね。きっと、育てるのが楽しくなるでしょう。

夏型は乾燥に強いんですね。
冬は休眠に入るため、水やりは控えるようにしましょう。

2.冬型の特徴や育て方

2-1.真夏は休眠し、冬に生育する

冬型の多肉植物は、夏型の間逆になります。気温が急上昇する夏場は休眠状態に入り、冬になると成長するでしょう。春や秋はゆっくりではありますが、少しずつ成長する時期です。冬型の生育適温は、およそ5℃~20℃になっています。夏型と比べてみると、非常に寒さに強い多肉植物です。しかし、決してすべての冬型が寒さに強いわけではありません。

ただ、夏型よりも寒さに強いだけであり、極寒では弱くなってしまう多肉植物もあるのです。近年、地球温暖化により気温が上昇しつつあるため、夏場の管理には注意しておかなければなりません。冬以外の季節は、20℃以上の場所に置かないよう、気をつけてくださいね。

2-2.冬型の育て方

冬型の育て方も、「水やり」「置き場所」「植え替え」「肥料」の4つにわけて説明します。冬型の場合、水やりは春と秋を中心にあげてください。真夏はほとんど水を与えなくても成長します。

そして冬は、月に3~4回程度の水やりで元気に育つでしょう。置き場所は、基本的に日が当たらない場所で育ててくださいね。冬型の多肉植物は、高温多湿を嫌います。そのため、湿気が多い梅雨は雨に当たらないところ、日差しが強い夏は直射日光を避けてください。そして、風とおしの良いところに置きましょう。

植え替えは、3月~4月、9月~10月が最適です。夏型と同じく、2年ごとに植え替えをしましょう。肥料は、生育期である4月~5月、秋頃に月1・2回ほど与えてください。夏型と冬型それぞれの育て方をきちんと把握しておけば、いつまでも元気に育つでしょう。

冬型は文字どおり冬に成長するんですね。
はい。ですから、寄せ植えを作るときは夏型・冬型を一緒に植えないようにしましょう。

3.夏型と冬型の見分け方

3-1.見分け方は「生育期の状態」

ホームセンターや園芸店に行くと、ほとんど「夏型」「冬型」にわかれています。そのため、すぐに確認できるでしょう。しかし、「夏型」か「冬型」か記載していないサボテンは、夏型と冬型の中間である「春秋型」の可能性があります。購入する前に、きちんと確認すると良いですよ。夏秋型については後ほど説明するので、ぜひチェックしてくださいね。

夏型・秋型の見分け方は、「生育期」の状態からわかります。春~夏場にかけて成長の様子を見せる多肉植物なら「夏型」、冬~春・秋に成長する様子を見せれば「冬型」と判断してください。

冬型と夏型の多肉植物は、種類によって分別できるので「多肉植物の図鑑」など、本や雑誌を見ると良いでしょう。夏型・冬型それぞれの種類が把握できます。事前に知識を身につけておけば、失敗することはありませんよ。

3-2.春秋型とは?

夏型・冬型どちらにも属さない「春秋型」は、アメリカやメキシコ、ヨーロッパに生息している多肉植物です。名前のとおり、春と秋が生育期間になっているため、「春秋型」と呼んでいます。春・秋以外の季節は休眠状態に入るので成長しません。

主な代表種は、アドロミスクス・オロスタキス・ガステリア・クラッスラ・グラプトペダルム・セダム・セネキオ・センペルビブム・ハオルチア・パキフィツムなど、夏型の種類となるエケベリアも入っています。多肉植物を育てようと考えている人は、夏型や冬型以外にも、春秋型があることを知っておいてくださいね。

分からない場合は店員に聞いてもいいんですね。
はい。インターネットでも詳しい育て方を調べることができます。

まとめ

多肉植物の夏型・冬型、それぞれ特徴や育て方、見分け方について説明しました。最近は、多肉植物を1つの鉢植えに入れるインテリア風の育て方がはやっていますが、夏型・冬型をきちんと理解することが大切です。基礎知識を知らなければ、腐ってしまうので注意してくださいね。

  • 初夏~秋に生育、冬場は休眠する「夏型」
  • 夏型の中には暑さに弱い種類もある
  • 1番代表的な種類がアロエ
  • 真夏は休眠、冬に生育する「冬型」
  • 冬型は直射日光をできるだけ避ける
  • 生育期の状態をチェックする
  • 夏型と冬型の真ん中に位置する「春秋型」

以上は、ぜひ押さえておきたいポイントです。夏型・冬型の特徴・育て方を把握し、上手に多肉植物を育ててくださいね。特徴をつかんでおけば、より多肉植物を楽しむことができるでしょう。