もうすぐ夏本番。旅行に行ったり帰省したりと家を長期間留守にする人も増えるでしょう。
しかし、「育てている観葉植物が枯れないか心配」という方もいると思います。
そこで、今回は旅行などで長期間留守にするときの水やりについてご紹介しましょう。
観葉植物によっては、短期間ならば水なしでも枯れたりはしないのです。
しかし、長期間留守にする場合はどうしたらよいのでしょうか?
観葉植物を育てている方は、ぜひこの記事を読んで帰省や旅行に備えてください。
目次
1.短期間留守にする際の対策
まず始めに、2~3日間程度の短期間留守にする場合の対策をご紹介します。
このくらいの期間ならば、置き場所を工夫するだけでも大丈夫な場合も多いです。
1-1.置き場所を変えてみる
観葉植物は、基本的に鉢の中の土が乾いたら水をあげます。
ですから、毎日水をあげなければ枯れてしまうということはありません。
室内に置いてある観葉植物ならば、2~3日に1度の水やりで十分ということも多いでしょう。
なので、留守にする期間が2~3日くらいならば、出かける前に水をたっぷりやっておけば大丈夫です。
ただし、日光が差しこむ窓辺に置いてあったり、日中の気温が高くなる場所に置いておいたりすると鉢の土が1日で乾燥してしまうかもしれません。
そこで、留守中は日陰の涼しい場所に鉢を移動させましょう。
2~3日くらいならば日光にあてなくても植物は大丈夫です。
帰ってきたらたっぷりと水を与え、日光にもあててあげましょう。
1-2.湿気が多い場所に置く
「留守にすると、どの部屋も気温が高くなってしまう」という場合は、湿気が多い場所に鉢を置きましょう。
浴槽に水を張っておきそのそばに鉢を置いてもよいですし、キッチンに水を張ったボウルを置きそのそばに鉢を置いてもよいでしょう。
水をたっぷり張ったものが近くにあると、植物は空気中に蒸発した水を葉や茎から吸収します。
1-3.水が蒸発しないように工夫する
鉢の土を腐葉土やミズゴケで覆(おお)ってしまえば、水分の蒸発を防げます。
ミズゴケというのはコケ玉の材料にもなるもので、園芸店に売っているでしょう。
ミズゴケを使う場合は、ミズゴケにもたっぷりと水分を含ませておいてください。
2.中期~長期間留守にする場合の対策
では、4日以上の中・長期間家を留守にする場合は、どのように水やりをすればよいのでしょうか?
この項では、その方法をご紹介します。
2-1.自動水やり器を使う
園芸店やホームセンターなどでは、「自動水やり器」というグッズを売っています。
ペットボトルなどを利用するグッズですから、値段もそれほど高くありません。
それを使えば、ある程度の期間留守にしても水不足で植物が枯れる心配はないでしょう。
2-2.ぬれタオルを鉢の下に敷く
それほど水分を必要としない植物の場合は、ぬれタオルを鉢の底に敷いても効果があります。
ぬれタオルの端を水に入れた器にひたしておけば、タオルが乾くこともありません。
この方法だと、複数の鉢があっても1枚のタオルの上に敷いておけばよいのですから、手間もかからないのです。
浴槽のような大きな器に水をためてタオルの端をひたしておけば、10日程度は持つでしょう。
2-3.植物にビニール袋をかぶせる
植物は、葉から水分を出しています。
ですから、植物の鉢をビニール袋などですっぽりと覆(おお)ってしまうと、乾燥が防げるでしょう。
ただし、この方法を使うとビニール袋の中の温度が上がります。
熱さと湿気でサウナ状態になることもあるでしょう。
そうならないように、直射日光の当たらない涼しい部屋に観葉植物を移動させてから行ってください。
2-4.預ける
1か月近く留守にするという場合は、どの方法でも完璧ではありません。
最近は、園芸店などで植物を預かるサービスを実施しているところもあります。
水を毎日あげないといけない植物や、日中に部屋がどうしても高温になってしまうという場合はそのようなサービスを利用してください。
値段は施設によって違いますが、大型の鉢ほど高くなります。
また、コケ玉のように水分がなくなるとそのまま枯れてしまうようなものは、留守の期間が短くでも預けると安心できるでしょう。
3.帰ったらここをチェックしよう
旅行や帰省を終えて帰ってきたら、観葉植物の鉢の土をまずはチェックしましょう。
湿っていれば、大丈夫です。
からからに乾いている場合はすぐに水をあげてください。
また、葉の状態もチェックしましょう。
ぐったりとしおれているようならば、水不足です。
キリフキなどで水を吹きかけてあげましょう。
さらに、日陰に置いていた場合は、翌日からたっぷりと日にあててあげてください。
そうすれば、日光不足もすぐに解消するでしょう。
4.旅行や出張が多い人にお勧めの観葉植物とは?
「観葉植物を育てたいけれど、旅行や出張で留守が多いから世話ができるかどうか心配」という方もいるでしょう。
では、最後に留守がちな人でも育てやすい植物をご紹介します。
4-1.多肉植物
コロンとした肉厚の葉っぱがかわいらしい多肉植物は、生命力が非常に強いです。
また、乾いて栄養の少ない土地が原産なので、それほど水も必要としません。
ですから、1週間程度水をやらなくても、全く問題がないのです。
また、半日陰でも育ちやすいでしょう。
ですから、暑い夏場も出かける前に水をたっぷりとあげて日陰に置いておけば枯れることはありません。
4-2.サボテン
水がいらない植物の代表格のようなサボテン。
今は、いろいろな種類のサボテンが販売されていますので、好みのものを見つけるのも楽しいでしょう。
それに、サボテンにとって夏は「休眠期」といって体を休ませる時期なのです。
ですから、水やりも2週間に1度程度で十分でしょう。
乾燥のし過ぎだけ注意してあげれば、留守がちな人でも無理なく育てることができます。
逆に、サボテンは水をあげすぎると病気にかかりやすくなるので、「しばらく留守にするから」という理由だけで水をあげない方がよいでしょう。
目安としては、割りばしなど木製のものを深く土にさして、湿っていなければ水をあげてください。
5.おわりに
いかがでしたか?
今回は、観葉植物を育てている人向けに留守中の水やりについてご説明しました。
まとめると
- 2~3日ならば出がけに水をたっぷりあげておけば大丈夫なことが多い。
- 強い日光で鉢の土が乾燥しないように場所を移そう。
- 浴室など湿気が多いところならば、鉢の土も乾燥しにくい。
- 長期間留守にする場合は観葉植物を預かってもらえるサービスもある。
- 多肉植物やサボテンならば、長期間留守にしても大丈夫なことが多い。
ということです。
留守中の水やりについては、今までも多くの園芸家が試行錯誤を繰り返してきました。
しかし、「これならば絶対に大丈夫」という方法はまだ見つかっていません。
ですから、いろいろな方法を試してみることも大切です。
また、季節によっても水やりの方法は変わってきます。
冬ならば室温も低いですから、地域によっては凍結の心配があるでしょう。
さらに、前述したように暑い季節ならば鉢の土の早期乾燥に気をつけます。
絶対に枯らしたくない植物や、世話の仕方が難しい観葉植物の場合は園芸店の預かりサービスを利用したほうがよいでしょう。