あなたは間違っていませんか? 観葉植物のための活力剤の使い方

鉢植えの観葉植物の根元に刺さったアンプル(液体が入った小さなガラス容器)。ご覧になった方は多いと思います。「活力剤」です。「ああ、植物に栄養をあげているんだね」観葉植物を育てた経験がない方は、おそらく、このように理解するのではないでしょうか。

先に結論です。いいえ、違います!活力剤は、観葉植物を育てている方にも誤解されているようです。正しい使い方を紹介しましょう。

  1. 活力剤って何?
  2. 活力剤と肥料(栄養剤)の違い
  3. 活力剤の使い方

1.活力剤って何?

活力剤とは、文字どおり植物に活力を与えてくれる成分を含んだ製品の総称です。「だから、肥料(栄養剤)の一種では?」。観葉植物を育てている方の中にも、こう理解している方がいるようです。でも、活力剤と肥料では、目的がまるっきり違います。

1-1.植物を元気にする

植物を成長させる栄養素を含んでいるのが肥料です。これに対して、活力剤は、国が定める肥料の規定を満たしていません。肥料ではないので、確かに成長には役立ちませんが、植物が弱っているときに、元気にしてくれるのが活力剤なのです。肥料は、ごはんなど主食だとすれば、活力剤はサプリメント(健康補助食品)と位置付けると、よりわかりやすいでしょう。

1-2.活力剤が必要と思われる症状

「何だか元気がないなあ」観葉植物を育てている方ならば、1度や2度は、そんな経験をされた方がいらっしゃると思います。肥料は適切に与えているはず。水も多からず少なからず。ときどきは外に出して日光にあてている。なのに、どうも元気がないといった症状です。こんなときは、活力剤を使うことを考えてみてはいかがでしょうか。活力剤が必要と思われる症状には、次のようなケースがあります。

  • 若葉なのに、葉脈以外の部分の色があせて黄白色化する
  • 葉が小さく白っぽくなる
  • 若葉が黄色くなって、先端が枯れ落葉する
  • 古い葉に黄色い斑点や縁取りができる
  • 葉がねじれ、萎縮する
  • 果実が落下しやすくなる
活力剤は植物の元気がないときに用いるんですね。
はい。水も十分に与え、日当たりもいい場所に置いているのに植物の元気がないときに用います。

2.活力剤と肥料(栄養剤)の違い

活力剤への理解をもっと深めるには、やはり、肥料と対比させながら考えるのが近道です。少し専門的になりますが、肥料と活力剤の成分について紹介します。

2-1.肥料とは?

植物の活動に必要な元素は16種類あり、そのうちの13種類が肥料成分になります。3要素、中量要素(3種類)、微量要素(7種類)です。大量に必要な元素、微量で済む元素がありますが、どれか1つ欠けても、植物は元気に育ってくれません。

3要素というのは、チッソ(N)、リン酸(P)、カリウム(K)。学校で教わったと思います。
ある家庭園芸薬品メーカーによると、家庭園芸用の肥料は、肥料取締法の中で「チッソ、リン酸、カリウムがそれぞれ0.1%以上、あるいは2成分以上の合計量が0.2%以上含むもの」とされているそうです。この規定を満たさないものは、肥料ではありません。

2-2.活力剤とは?

活力剤には、確かに肥料としての成分はありません。ただし、必要量はわずかですが、植物が育つのに不可欠な微量要素(鉄、銅、亜鉛、モリブデン、マンガン、ホウ酸、塩酸)などを与えて、植物を元気にしてくれる効果があります。アンプルが少しずつ土に浸透していくようになっているのは、微量の補給で済むからです。

活力剤は、大きく以下の2タイプに分けられます。

  • 低い濃度の肥料成分を配合した活力剤:チッソ・リン酸・カリウムの3要素を、肥料としての規定を満たさないレベルに薄めた活力剤です。
  • 植物の生育を活性化する活力剤:微量要素やビタミン、アミノ酸など、3要素以外の成分を配合した活力剤です。
活力剤と肥料は成分が異なるんですね。
はい。ですから、活力剤は肥料の代わりにはなりません。

3.活力剤の使い方

肥料が主食だとすれば、活力剤はサプリメントだと紹介しました。この点からもわかるように、サプリメントばかり与えても、植物は元気に育ってくれません。あくまでも肥料がメインです。ですから、主食である肥料を適切にあげて、そのうえでサプリメントの活力剤を使うのが基本であること。この点を忘れないでください。ただし、使い方には工夫が必要です。

3-1.どんな状態か見極めよう

どの成分が不足しているか、あるいは過剰に与えているかによって、観葉植物の健康状態や症状は変わります。インターネットなどで調べてみてください。不足している場合と過剰な場合の症状例は、成分ごとに一覧にしている資料などを見つけることができます。ぜひ調べて、植物の健康状態をチェックする参考にしてほしいものです。

3-2.必要な時期に適量をバランスよく

肥料と活力剤に共通することですが、「必要な時期」に「適切な量」を「バランスよく」与えてあげることが大切です。初心者の方は、まず、2つのことを頭に入れておくといいでしょう。

  • 植物の成長期には、3要素であるチッソ、リン酸、カリウムを多量に必要とします。この時期には、肥料と活力剤をセットで与えてあげましょう。
  • 逆に、生育が緩やかな休眠状態や弱っているときには、肥料は見合わせて、活力剤だけにした方がいいと思います。
活力剤は植物の状態を見ながら与えるといいんですね。
はい。用法・容量も守りましょう。

まとめ

活力剤について、肥料との関係を考えながら、使い方などを紹介しました。

  1. 活力剤って何?
  2. 活力剤と肥料(栄養剤)の違い
  3. 活力剤の使い方

あるホームセンターの園芸担当の方のお話を伺いました。強調していたのは、観葉植物も人間も同じだということです。胃の調子が悪いときにステーキ(肥料)を食べても、消化不良を起こして、ますます体調を悪化させてしまう。そんなときは、消化によいもの(活力剤)でがまんして、体調を元に戻すことを最優先すべきだ。ステーキは、体調が戻ったら食べればいい論理です。よく理解できます。観葉植物の肥料と活力剤の関係によく似ていると思いませんか? 観葉植物は、生活に潤いとやすらぎを与えてくれる存在です。大切に育ててあげてください。


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