溜まりがちな乾燥剤は再利用しよう。肥料に使えるものもあります。

のりやおせんべいなど、乾燥を嫌う食品のパッケージなどに同封されている乾燥剤。
誰もが一度は目にしたことがあるでしょう。
通常は捨ててしまうことの多いものですが、再利用も可能です。
乾燥剤によっては肥料にもなります。
そこで、今回は乾燥剤の再利用法をご紹介しましょう。
ちょっとしたひと手間を加えるだけで、捨てるしかなかった乾燥剤に使い道ができるのです。
興味がある方やガーデニングを楽しんでいる方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。

  1. 乾燥剤の種類とは?
  2. シリカゲルを復活させる方法とは?
  3. 乾燥剤の再利用法とは?
  4. 乾燥剤を取り扱うときの注意点
  5. おわりに

1.乾燥剤の種類とは?

まず始めに、乾燥剤の種類をご紹介します。
同じような形をしていても、中身が違うのです。
それぞれどのような特徴があるのでしょうか?

1-1.シリカゲル

純度の高い二酸化ケイ素からできている乾燥剤です。透明な袋に透明と青の顆粒(かりゅう)が入っています。
乾燥剤としては最もポピュラーですので、見たことがある方も多いでしょう。
また、あまり知られていませんがシリカゲルの寿命はとても分かりやすいのです。
青い顆粒(かりゅう)は湿気を吸いこんで飽和状態になると、ピンク色に変色します。
しかし、一度湿気を吸収したものでも、再び加熱すれば湿気が飛んで再利用できるという特徴があるのです。

1-2.石灰乾燥剤

こちらは、生石灰を原料とした乾燥剤です。
生石灰は吸湿性に優れており安価なので、食品ののりや茶葉など湿気を嫌うものに入っていることが多いでしょう。
白い袋の中に入っていて、「石灰乾燥剤」と印刷されているのです。
生石灰は湿気を吸収すると消石灰に変化します。
こうなると、再び生石灰に戻すことはできませんが、別の使い道があるのです。

1-3.脱酸素剤

脱酸素剤とは、文字どおり酸素を取りのぞいて食品を湿気から守ります。
材料は還元鉄で、携帯用のカイロに使われているものと同じです。
再利用はできませんが、乾燥剤の中で最も寿命が長いので、乾燥剤として別の場所で使い続けられます。

2.シリカゲルを復活させる方法とは?

湿気を飽和状態まで吸収し、ピンク色になったシリカゲルは袋から取り出してレンジで加熱するか、フライパンでいためてみましょう。
ピンク色だった顆粒(かりゅう)が青色に戻れば、完了です。
シリカゲルは触っても無害ですから、袋から取り出しても問題ありません。
逆に、袋に入れたまま電子レンジなどで加熱すると、袋の中の空気が膨張して爆発する危険があります。
一袋の中に入っているシリカゲルの量はわずかなので、複数ためておいてから熱するとよいでしょう。
復活したシリカゲルは、別の袋に入れて使用します。

3.乾燥剤の再利用法とは?

この項では、乾燥剤の再利用法をご紹介します。
「ものを乾燥させる」という効果は、意外といろいろな場所で使えるのです。
また、乾燥剤が全く別の用途で再利用できることもあります。

3-1.消臭剤として使う

水分は時間がたつと臭います。
服や靴に独特の臭いがつくのは、汗による湿気が残っているからです。
ですから、しばらく使わない靴の中や服のポケットに乾燥剤を入れておきましょう。
そうすれば、除湿による脱臭効果が期待できます。
乾燥剤は小さいので、ポケットや靴の先にも楽に入るでしょう。
特に、ブーツはシーズンが終わったら乾燥剤をつめて箱にしまっておくと、次のシーズンも快適に使えます。

3-2.さびを防止する

カミソリや釣りの道具など、水の近くで使う金属の製品は少なくありません。
いくら丁寧に拭いても湿気が残ることもあるでしょう。
その結果、さびが浮き出てしまうこともあります。
そこで、乾燥剤と一緒に保存することで、金属製品に残ったわずかな水分を取りのぞき、さびを防いでくれるのです。
釣りが趣味の方やカミソリの刃がしょっちゅうさびてしまう、という方にお勧めでしょう。

3-3.結露対策

結露というと、窓にできるものというイメージがありますが、結露は気温差が激しいところでは何にでもできます。
特に、カメラのレンズは結露しやすいでしょう。
それを放置しておくと、レンズにカビがはえてしまいます。
そこで、乾燥剤を入れておくと、結露を防止できるでしょう。
カメラの結露などにお悩みの方はぜひ試してみてください。

3-4.携帯電話の復活

携帯電話を水没させてしまった、という経験がある方は多いでしょう。
今はスマートホンが主流ですから、買い替え費用も高くつきますし失われる情報の量もけた違いです。
携帯電話が水没してしまったら大量の乾燥剤とともに袋に入れておけば、水分が吸収されて復活する可能性が高くなります。
市販されている水没した携帯電話を復活させる薬剤にも、乾燥剤と同じ成分が使われているのです。
完全に復活というわけにはいきませんが、データをほかへ移すくらいの間は問題なく使えるでしょう。

3-5.乾燥剤で土を復活させよう

湿気を吸いこんで消石灰になってしまった石灰乾燥剤は、土と混ぜてみましょう。
石灰はアルカリ性の物質のため、酸性に傾きすぎた土壌を中性に戻す効果があるのです。
石灰は、園芸店などにも販売されていますが量が多いので、たとえば「プランターひとつ分の土を改良したい」という場合は、乾燥剤に使われているくらいの量でちょうどよいでしょう。
生石灰から消石灰に変わると、袋の中身が固まってくるので触って判断してください。
使い方はとても簡単。
袋を破って消石灰を土と混ぜるだけです。1週間もすれば酸性だった土壌が中性よりになります。

4.乾燥剤を取り扱うときの注意点

シリカゲルも消石灰も、口に入れさえしなければ無害です。
ですから、子どもやペットの手の届かないところに保管しておけば大丈夫でしょう。
ただし、生石灰は水に触れると激しく反応して高熱が出ます。
ですから、完全に消石灰かしていない乾燥剤を土に入れるときは、うっかり目や口の中に入らないように気をつけましょう。
石灰は細かいので風に飛ばされて口の中や目に入る可能性もあります。
そのため、取り扱うときはマスクとメガネをしておくとより安全でしょう。
なお、シリカゲルも目の粘膜に入ると危険。
そのため、取り扱う際は目を保護しておくとよいですね。
さらに、復活させたシリカゲルをかわいい袋に入れて再利用しようと考えている方もいるでしょう。
その場合、子どもの興味をひいてしまうことがあるので、子どもの目の届かないところに置くなどの工夫が必要です。

5.おわりに

いかがでしたか?今回は、乾燥剤の再利用法についてご紹介しました。
土のpH値は園芸初心者が見逃しがちなことです。
今まで何の問題もなく育ってきた植物が、ある年を境に急に育ちにくくなったという場合は、土の中のpH値が変わっている可能性が高いでしょう。
また、植物の中にも酸性の土壌を好むものもあれば、アルカリ性~中性の土壌を好むものがあります。
ですから、植物を育てる際はそれがどのくらいのpH値の土壌を好むのか、調べておくとよいでしょう。
石灰をまく時期は、植物が育て終わって次の植物を育てる準備をしている間にまきます。
石灰をまいたら肥料のようによく土に混ぜこんでおきましょう。
なお、シリカゲルや脱酸素剤は同じように土にまいてもpH値を変えることはできません。
必ず石灰乾燥剤だけを使いましょう。のりやお茶などを頻繁に買うご家庭は、乾燥剤などもたまりやすいです。
ぜひ再利用してみてください。