ガーデニングを楽しみたいけれど、庭のほとんどが日陰になっている…と悩んでいませんか?花壇に植える植物をきちんと選べば、日陰でもガーデニングは可能です。
こちらでは、そんな日陰の庭–シェードガーデンを作るための情報を解説しています。日陰だからと諦めず、ぜひ、美しい庭作りを楽しんでください。
1.シェードガーデンにどのような植物を植えるか?
1日を通してほとんど日陰になっている場所でも、植物は育ちます。実際、鬱蒼(うっそう)とした雑木林の中にもたくさんの植物が生えているわけで、すべての植物が日当たりの良い場所を好むわけではありません。
それを考えれば、日の当たらない場所でもガーデニングを楽しむことは十分に可能なのです。
とはいえ、ひとくちに“日が当たらない”といっても、実際にどの程度の日照条件なのかは場所により異なります。そこで、実際の条件別におすすめの植物を紹介することにしましょう。
1-1.木陰で栽培できる植物
木陰というのは、樹木によって陰になっているものの、木漏れ日が差し込む程度には日が当たる場所のことです。樹木の陰ではなくても、何らかの理由で“わずかに日に当たることがある”というのであれば、シェードガーデンにおける木陰と捉えて構いません。
1-1-1.サンスベリア・ハーニー
白と緑のグラデーションが美しい多肉植物です。日陰・室内でも育ちますが、日光自体は好むので木陰くらいがベストでしょう。観葉植物として植木鉢で育てるのにも向いています。
多肉植物の特徴として、あまり水をやらなくても育つ…というのがありますから、ほとんど気にかけなくても大丈夫です。忙しくて、満足に世話ができない方は、こういった多肉植物から始めてはいかがでしょうか?
1-1-2.アジュガ
夏の初めに紫・ピンクの花を咲かせる植物です。ラベンダーを野性的にしたような外見が特徴。背が低く、周囲に広がりながら成長するので、木陰部分を覆うように育てることも可能です。
1-1-3.カレックス
葉のラインが美しく、西洋風の庭にマッチする外見をしています。種類が豊富で、黄緑・緑のほかに斑(まだら)模様、紫がかった銅葉など、好みに合わせてさまざまな葉をチョイス可能です。葉の形状に関しても、剣のように細く尖(とが)ったものから、幅広いもので多種多様。シェードガーデンの風合いに合わせて選んでみてください。
ただ、霜が降りると枯れてしまいます。越冬できるのは温暖な地域だけだと考えてください。
1-2.半日陰で栽培できる植物
半日陰というのは、1日のうち2〜3時間は日が当たることもあるが、基本的には陰になっている場所です。朝だけ日光が差し込む、正午の前後だけ日なたになる…といった部分を半日陰と考えてください。
1-2-1.クラッスラ
クラッスラというのは、厳密には多肉植物のクラッスラ属を指します。特定の植物を指す名前ではなく、クラッスラ属全体を示していると捉えてください。
水はけの良い土を好み、乾燥に強いのが特徴です。逆に水をやりすぎると腐ってしまうので、土がほぼ乾くまで水をやらないほうが良いでしょう。冬場は水分の必要量がさらに減るため、土が完全に乾いてから…で十分です。
1-2-2.ティアレラ
まるで稲穂のような白・ピンクの花をつける植物です。丈夫なので、それほど神経を使わなくても枯れる心配はありません。葉の色がさまざまで、個体差を楽しむことができます。
1-2-3.アルケミラ・モリス
夏の初めに小さな黄色い花をつける植物です。ただ、花自体はかすみ草のようなもので、目立ちません。むしろ観葉植物としての価値は葉の形状にあります。花弁のような放射状の葉が美しく、ビビッドな緑色がシェードガーデンを引き立ててくれるでしょう。
ただ、夏場の高温多湿を苦手としているので、夏を越えるのは困難。逆に寒さは-3℃くらいまで耐えられるので寒冷地の方におすすめします。
1-3.日陰で栽培できる植物
シェードガーデンにおける日陰は、1日を通してほとんど日光が当たらない場所です。一部の植物はわずかな光でも光合成できるので、日陰でも問題なく栽培することができます。
1-3-1.ハオルチア
ハオルチアは葉の形状が特徴的な多肉植物です。バラの花のように折り重なった状態で広がり、その姿はまるでアクセサリーのように見えます。
あまり日光を好まず、風通しの良い場所でよく育つのが特徴です。多肉植物なので水やり回数は少なくて構いません。目安としては1週間に1回程度でしょうか。
1-3-2.アジアンタム
細かい葉がたくさん集まって、雲のようにフワッと広がるのが特徴です。単独では目立ちませんが、引き立て役としての効果は抜群。シェードガーデンの名脇役といえます。
ただ、日光に当たると葉が痛むので場所に注意してください。乾燥も苦手ですから、頻繁に水をやる必要があります。
1-3-3.アスプレニウム
シダ植物の一種で、外見的には“すごく小さなヤシの木”と形容するのが分かりやすいでしょう。日本語ではタニワタリと呼ばれています。
高温多湿を好むので、暑い地域の日陰が最適です。かなり暗い場所でも大丈夫なので、まったく日が当たらない場所に植えるのに理想的な植物といえるでしょう。
2.誰でもできる!シェードガーデンの作り方
シェードガーデンを作る時は、一年草は一年草、多年草は多年草…と同じ仲間同士をまとめて植えるようにします。もちろん、同じ種類の植物は同じ場所にくっつけて植えてください。
水をやりすぎると腐る植物もあれば、頻繁に水をやらないと枯れる植物もあります。特性の異なる植物を近くに植えると、水の量を適切に調節できません。基本的に、同じ性質の植物を近くにまとめるのが原則です。
2-1.初心者は多肉植物がおすすめ!
もし、初めてシェードガーデンを作るなら、多肉植物から始めるのが良いでしょう。多肉植物は水やり回数が少なくても大丈夫ですし、多少、最適な条件から外れたくらいで枯れたりもしません。
それどころか、庭がなければベランダ・室内に植木鉢を置いて育てたとしても、たいていは問題なく成長します。本格的なシェードガーデンを作るのに躊躇(ちゅうちょ)している場合でも、多肉植物であれば手軽に楽しむことができるのです。
まとめ
以上、日陰で植物を栽培するシェードガーデンのおすすめ植物でした。
- シェードガーデンにどのような植物を植えるか?
- 誰でもできる!シェードガーデンの作り方
日光の当たらない庭でも、あるいはベランダでも、種類を選べばガーデニングは可能です。植物には精神的な癒やし効果もありますし、きっと、よりいっそうすてきな日々になることでしょう。