寄せ植えも楽しめる多肉植物の育て方!土の作り方や水やりのヒント

インテリアのアクセントにも最適な多肉植物は、園芸家にも人気があります。通販でも購入できる気軽さも魅力でしょう。多肉植物を寄せ植えで楽しみ、おしゃれな鉢で華やかに、アイデアしだいでいろいろな表情が見ることができるのも、かわいらしさの1つです。
多肉植物の育て方がわからない・育てやすい種類が知りたい。多肉植物を上手に増やしたいと思っている方が不安に思う気持ち、とてもよくわかります。
今回は、多肉植物の育て方や増やし方についてです。土作りに迷っている方も、この記事を参考にしてみてください。

  1. 多肉植物に向いている土とは?
  2. 多肉植物土の作り方
  3. 多肉植物土の配合ポイント
  4. 多肉植物の育て方でよくある質問
  5. まとめ

この記事を読むことで、多肉植物のある生活が楽しくなり、育て方のコツを知ることができるようになるでしょう。暮らしを彩る多肉植物は簡単に増やしていくこともできます。とてもシンプルな方法ばかりですので、初心者も多肉植物栽培の面白さを味わってみてください。

1.多肉植物に向いている土とは?

植物がある暮らしは、穏やかで癒(い)やされますよね。観葉植物を育てた経験がある方は、多肉植物はどう育てればいいかわからないというケースもあるのです。多肉植物には多肉植物に適した土があります。育てる前に知識を持つことから始めましょう。

1-1.多肉植物は水はけがポイントになる

多肉植物はぽってりした葉が特徴ですよね。葉の中に水を溜(た)められるようになっており、サボテンに似た性質を持っています。乾燥に非常に強く、水やりにも手間がかからない育てやすさが魅力です。
乾燥に強い反面、水をやり過ぎると枯れてしまうことがあります。日照条件のいい場所を選び、乾燥した状態を意識しながら育てることが最適です。そのため、水はけには十分気をつけましょう。

1-2.多肉植物が水はけのいい環境を好む理由

水を溜(た)め込む性質を持つため、多肉植物は乾燥を好みます。乾燥した環境が多肉植物をうまく育てるコツで、湿気を避けなければなりません。根腐れして枯れてしまう原因で、多くの方が失敗するのが水やりです。通風が良く、日あたりのいい場所で栽培してください。しかし、夏の直射日光は逆効果ですので、夏場は半日陰を意識しましょう。

1-3.市販の多肉植物土の特徴

多肉植物土は、100均やダイソーでも入手できます。園芸店やホームセンターでも購入可能です。多肉植物に適している土は、育てる場所によって区別することがポイントになります。日差しがいい場所なら保水性のある土を、通風の悪い環境なら水はけのいい土を選んでください。
ご自身で多肉植物土を選ぶのが難しい方は、市販の多肉植物土かサボテン用土を使ってみましょう。

1-4.多肉植物の栽培に適切なpHは?

多肉植物は、pH6~7の弱酸性が適しています。ただし、酸性に傾き過ぎると生育を阻害してしまうのです。pHコントロールを行うことが理想となります。多肉植物土が一般的に流通しているもの。多肉植物土の配合をする際も、酸性に傾くよう調整するといいでしょう。

2.多肉植物土の作り方

植物はどれも、土しだいという部分が大きいのです。ゆえに、土のブレンドがとても重要になります。土の種類や配合についてご紹介しますので、栽培環境作りに生かしてみてください。

2-1.多肉植物栽培に使う基本の土について

土の種類によって目的は異なります。基礎知識や違いを知ることが育てるコツです。

2-1-1.赤玉土

赤玉土は弱酸性の土で、多肉植物に適しています。有機物を含まないのも特徴で、火山灰土に分類されるものです。大・中・小と3種類の粒があり、鉢や多肉植物のサイズに適したものを選んでください。

2-1-2.鹿沼土

鹿沼土は、関東ローム層から採られた土です。酸性で硬いのも特徴でしょう。赤玉土と同じく、有機物を含まない土で、水を吸収すると黄色に変色する特性を持っています。通気・保水に富んでおり、乾燥している状態だと白い色合いになるため、水を与える時期を把握しやすいのがメリットでしょう。

2-1-3.日向土

別名を日向砂と呼びます。通気・保水に優れている弱酸性の土です。硬さは鹿沼土より上で、軽石のような性質を持つのも特徴でしょう。

2-1-4.軽石

プランター底に使うのが、軽石です。水はけに優れた多孔質であり、鉢の通気をよくしてくれます。日向土と似ており、使い方も同じです。弱酸性のため、多肉植物栽培に適しています。

2-2.プラスアルファの土について

2-2-1.腐葉土

広葉樹の落ち葉を使った土です。発酵分解された落ち葉で、通気・保湿に優れています。選ぶ際は、完熟した腐葉土を選ぶと、より生育の手助けとなるので注目してみてください。葉の形状が残っているものは未熟です。腐葉土は、主に土壌改良時に用いられ、多肉植物栽培で保水効果をより高めたいときに便利な土でしょう。

2-2-2.バーミキュライト

蛭(ひる)石と呼ばれる鉱物を高温焼成した人工土です。通気・保水・肥料を溜(た)める能力に優れ、軽量であるのが特徴でしょう。無菌であるため、室内栽培にも適しています。挿し木や種まきの際に使われることが多い土です。

2-2-3.珪酸(けいさん)塩白土

多孔質の天然地質粘土です。肥料を溜(た)める能力に優れており、水や土をきれいにする力を持っています。成長を促す作用もあり、根腐れ防止に役立つ土です。鉢底に敷いて使います。

2-2-4.ピートモス

pH調整の際に用いる酸性の土です。バーミキュライトと配合することで、アルカリ性に中和することができます。市販のピートモスは、すでに中和済みのものをありますので、選ぶ際は表示をよく確認してください。使う前に水で濡(ぬ)らし、保水能力を高めるといいでしょう。室内栽培にも適した無菌で、衛生的に育てることができます。

2-3.多肉植物土の基本配合

市販の多肉植物土を使う方法も簡単ですが、ご自身で配合されてみてはいかがでしょうか?基本配合は下記を参考にしてみてください。

  • 赤玉土3割
  • 鹿沼土(小粒または中粒)2割
  • 日向土2割
  • 腐葉土2割
  • バーミキュライト1割

基本配合した土に適量の肥料を加えるのもいいでしょう。

2-4.多肉植物の種類に応じた配合が必要?

栽培環境や種類に応じ、土の配合を変えるとより栽培が安定します。たとえば、日あたりがよく乾燥しやすい場所に置くなら、保水能力がある土を多めにすると適度な水分を維持できるでしょう。水やりを頻繁に行う場合は、水はけのいい土を使い、根腐れ防止効果のある珪酸(けいさん)塩白土を使用してみてください。ひとたび市販の土で栽培してみて、状況に応じて土の追加を行う方法もおすすめです。

3.多肉植物土の配合ポイント

多肉植物栽培を始めたばかりの方は、土の配合がわからないということも多いでしょう。どのようなときにどの土を使うといいかをご紹介します。オリジナルブレンドに改良して楽しんでみてください。

3-1.保水性を高めたいとき

乾燥した状態が続くと、内部に水を溜(た)め込む性質を持つ多肉植物とはいえ、やはり枯れてしまいます。多肉植物は水はけのいい環境を好むのですが、中には水を好む種類もあるのです。素焼きの鉢で栽培するなら、乾燥するスピードが速いため、保水は気にしておきたいポイントでしょう。
保水性を高めたいときは、土にバーミキュライトや腐葉土を混ぜてみてください。ただし、湿度が高くなり過ぎて、カビが発生しないようにします。

3-2.通気性・排水性を高めたいとき

乾燥を特に好む多肉植物は、通気性と排水性を確保し、湿気を逃がすようにした方がいいでしょう。プラスチックと陶器製の鉢を使用する場合も、根腐れを防止しておく必要があります。
水はけをよくする軽石を多めに使用してみてください。日向土を増やす方法もおすすめです。赤玉土も排水性に優れているため、多めに配合することで水はけのいい土を作ることができます。

3-3.多肉植物土のpHコントロールをするときは?

いい土壌は、多肉植物栽培において必要不可欠です。土を触ってもなかなかわかりにくいのは、多肉植物土のpHでしょう。園芸店にはpHチェックキットが販売されていますので、pH6前後を維持できるように調整してみてください。多くの方が栽培につまずくのは、pH調整に失敗しているからです。

3-4.多肉植物栽培時の注意点

多肉植物の栽培が初めてという方は、さまざまな疑問を持つと思います。いくつかの注意事項をご紹介しますので、失敗しない栽培に生かしてみてください。

3-4-1.水はけが良過ぎてもダメ

多肉植物は通気のいい環境を好むとはいえ、やはり水は必要です。水はけが良すぎるのは考えものでしょう。しかし、湿気がこもり過ぎるとカビの原因で、根腐れも引き起こします。
土の配合に迷う場合は、赤玉土を半分ほど使うと安心です。鉢の半分は土にし、下半分は軽石にすると適切な栽培環境に仕上がります。

3-4-2.水やりのタイミング

また、水やりのタイミングにも注意が必要です。土が乾いたら与えるというのがポイント。水やりを忘れてしまい、葉にしわが寄ってもすぐに回復するので心配ありません。夏は1か月に1回程度、冬は与えなくても大丈夫です。

3-4-3.強い日差しには要注意

真夏の太陽は、多肉植物の葉を黄色くしてしまいます。しみができることもあり、見栄えが悪くなるので注意してください。できるなら、明るめの日陰に置くようにしましょう。室内に置く場合は、エアコンの風があたらず、湿気のこもらない場所を選びます。

4.多肉植物の育て方でよくある質問

多肉植物は見てかわいい、育てて楽しい植物です。ほかの観葉植物とは少し栽培方法が異なるため、上手に育てられるか不安という方も多くいます。コツさえわかれば、増やしていくことも可能です。

4-1.多肉植物の寄せ植えをしたい

多肉植物は1つ1つの表情が違いますから、寄せ植えすると華やかで見栄えもいいですよね。多肉植物には冬型と春型があり、生育する時期が種類によって違います。そのため、寄せ植えする場合はなるべく管理しやすいよう、生育時期が同じ種類を集めましょう。

4-2.肥料はどう与える?

多肉植物はまめに肥料を与える必要はありません。鉢に植える際に、元肥を与える程度で十分です。追肥をするタイミングは、葉がこぼれ落ちるようになってから。植え替え時に土を交換し、肥料を加える方法もおすすめです。

4-3.多肉植物の増やし方が知りたい

多肉植物の増やし方は、植え替えと葉挿しの2つがあります。

4-3-1.植え替え

植え替え時期も、夏型と冬型で異なります。夏型なら3~5月に、冬型なら9~11月を目安にしてください。根腐れしやすい梅雨は避けましょう。多肉植物を丈夫で元気に育てるためのポイントです。密集した部分を取り除き、株わけする方法もおすすめ。鉢の中で根が詰まり、ぎゅうぎゅうになるのを防ぐことができます。根を傷めないよう優しく株を取り出してください。

4-3-2.葉挿し

多肉植物の葉は繊細なため、突然ポロっと落ちてしまうことがありますよね。すぐに捨ててしまっていませんか?実は、折れた葉から根が出て、再び楽しむことができるのです。葉挿しという手法で、やり方はとてもシンプル。葉の断面はなるべくきれいなものを選び、多肉植物土に挿しておきましょう。自然と根が出てきます。直射日光は避け、明るい日陰で発根を待つようにしてください。

4-4.冬はどこへ置けばいい?

夏の直射日光に弱く、霜にも弱い性質を持つのが、多肉植物の特徴です。冬に生育するタイプもありますが、多くの多肉植物は室内で管理するようにしましょう。寒冷地は特に注意し、枯らさないよう注意してください。

4-5.種から育てることはできる?

多肉植物を種から栽培することはできますが、種が流れてしまわないよう、最初は目の粗い多肉植物土を使うのは避けましょう。受け皿に水を入れ、下から給水できるようにしておき、発芽管理を行います。初心者には少し難しい方法ですので、多肉植物栽培に慣れるまでは苗から育てる方が安心です。

4-6.多肉植物栽培で気をつけるべき病気は?

根腐れ以外で注意すべきなのは、黒斑病という斑点が広がる病気です。ひとたび斑点が出てしまうと消えることはありません。予防には、高温多湿を避けて栽培することがポイントです。カビが生えることもあります。カビが発生した箇所は取り除き、通風のいい場所へ置くようにしてみてください。

5.まとめ

いかがでしたか?多肉植物の育て方は、とても簡単なので初心者にもおすすめです。水はけのいい環境と通風を大切にしてください。華やかで明るさをもたらしてくれる寄せ植えも、多肉植物を育てる面白さです。土は弱酸性にし、配合が難しい場合は市販の多肉植物土を使うと簡単に栽培できます。なるべく同じ生育時期のものを選ぶと管理しやすいでしょう。多肉植物は種類により印象が異なりますから、多彩なアレンジを楽しんでみてください。