「サボテンを種から育てたいけど、種まきはどのようにすればいいのか?」と考えている方は多いのではないでしょうか?
見ているだけで癒やし効果のあるサボテンは育てやすいというイメージが強い植物ですが、種から育てる場合には注意が必要です。
この記事では、サボテンの育て方の基本や注意点をまとめました。多肉植物ブームの今、あなたもサボテンを上手に育ててみませんか?
この記事を読むことで、サボテンを初心者でも種から育てる簡単な方法がわかります。上手に育てれば子株をどんどん増やすことも可能です。サボテンを育てようと思っている方、サボテンを枯らしてしまった経験がある方は、ぜひチェックしてみてください。
1.サボテンを知ろう!サボテンの基礎知識
まずはサボテンのことを詳しく知りましょう!
1-1.サボテンとは?
サボテンの原産地は、南北アメリカとその周辺の島です。サボテン科の植物の総称を”サボテン”と呼んでいます。英語では”カクタス”と言い、サボテンは日本語です。品種改良を重ねたサボテンは、現在2000種類以上も存在しています。サボテンの中には食べることができるものもあり、あのドラゴンフルーツもサボテン類なんですよ。かわいらしく個性的な姿は多くの人を魅了しています。サボテンの代表的な花言葉は「枯れない愛」です。花言葉にかけて、結婚式の飾りつけに選ぶカップルもいますよ。
1-1-1.多肉植物はサボテンなの?
サボテンは多肉植物の一種です。多肉植物は形状も特徴もサボテンに似ているため、多肉植物をサボテンと勘違いしてしまいますが違います。多肉植物は、ほとんど水でできた植物です。葉や茎・根などの肉厚な組織に水や養分を蓄えているため乾燥した地域でも耐えられます。馴染(なじ)みのある多肉植物と言えばアロエでしょう。アロエはツルボラン亜科アロエ属の多肉植物です。
1-1-2.多肉植物との見分け方
多肉植物とサボテンの違いは棘で見分けます。サボテンには棘(とげ)があり、多肉植物にはありません。棘(とげ)は、サボテンが動物から身を守るためのガードです。棘(とげ)が退化し毒を持つことで身を守るサボテンもいますが、基本的に多くのサボテンには棘があります。
1-2.サボテンの種類
サボテンは品種改良され、今も新しい種類が増え続けています。140属2000種類以上のあるサボテンの中から、いくつか面白いサボテンをご紹介しましょう!
1-2-1.棘(とげ)のあるサボテン
美しい棘(とげ)のあるフェロカクタス属、エキノカクタス属のサボテンをご紹介します。サボテンの魅力はなんと言っても棘(とげ)です。”フェロカクタス”という言葉には”恐ろしい棘(とげ)を持つ”という意味があります。
- 神仙玉(シンセンギョク)/フェロカクタス属
赤い棘(とげ)が美しいサボテンです。日当たりのいい場所を好みます。遠くから見ると細い花びらに見えますが、立派な棘です。 - 金冠竜(キンカンリュウ)/フェロカクタス属
黄色い棘(とげ)を持つサボテンです。初心者でも簡単に栽培できます。 - 金鯱(キンシャチ)/エキノカクタス属
棘(とげ)の色はなんと、金色!まん丸な体に美しい刺を持っている植物園でも人気のサボテンです。寿命は30年程度で1mの高さにも生長します。野生では絶滅寸前のサボテンです。約20年以上経(た)ったものだけが、頂部に黄色い小さな花が咲きます。 - 春雷(シュンライ)/エキノカクタス属
原産地はメキシコで乾燥地帯に生育します。最大で直径50㎝、高さ2mにも達するサボテンです。上手に育てると、花径7㎝くらいの鮮やかな黄色い花が咲きます。
1-2-2.棘(とげ)のないサボテン
個性的な形状が面白い棘(とげ)なしサボテンをご紹介します。
- 仔吹烏羽玉(コフキウバダマ)/ロホホラ
棘がなく、子供のほっぺのように優しい感触のサボテンです。子がどんどん芽吹きすることから、縁起がいいサボテンとされています。 - ゴジラ亀甲牡丹(キッコウボタン)/アリオカルプス
その名のとおりゴジラのような見た目が個性的なサボテンです。ボコボコした肌の質感が魅力的! ゴジラ亀甲牡丹は、日本の品種です。海外でも非常に人気があります。
1-2-3.美しい花が咲くサボテン
サボテンの花は驚くほどキレイなんですよ。花の形や色・大きさは、サボテンの種類により異なります。どのような花が咲くか育てるのも楽しみの1つです。
- 象牙丸(ゾウゲマル)/コリファンタ属
象牙のような棘が自慢のサボテンです。形は球状で、かわいらしい桃色や薄紅色の花が咲きます。頂点付近が綿毛に覆われるのが特徴です。 - 短毛丸(タンゲマル)/エキノプシス属
寒さや暑さに強く、日本の気候でも育てやすいサボテンです。白くて大きな美しい花が咲きます。花付きがいいので初心者でも育てやすいでしょう。 - 金昇丸(キンコウマル)/エリオカクツス属
成長力が強く子の芽吹きがいいので育てやすいサボテンです。若草色で少し光沢のある肌をしています。おしべもめしべも真っ白な美しい花が咲くことで人気です。満開に咲かせた姿はとにかく見ごたえがあります。
1-3.サボテンは育てやすい?
サボテンはその形状と砂漠に生えているというイメージから水が要らないと思っている方もいます。しかし、サボテンは水が大好きな植物です。生長が遅いため、ほかの植物と比べ水やりの回数は少なくて済みます。毎日の水やりが必要ないという点では、育てやすいと言えるでしょう。上手に育てれば、キレイな花が咲き子株がたくさん増えます。
1-4.サボテンが人気の理由とは?
観葉植物ランキングでも上位に選ばれるほど人気のあるサボテン。人気の理由をチェックしてみましょう。
1-4-1.育てやすさ
サボテンを選ぶ人の多くが、選んだ理由に育てやすさを挙げています。多くのサボテンは、朝晩の水やりが必要ありません。出張や旅行で家を留守にすることがあっても、心配しなくていい点が、一人暮らしの男女にウケています。
1-4-2.見た目のかわいらしさ
サボテンの面白い形状に癒やされる人が多いです。サボテンを育てている人は、サボテンを見てるだけで心が休まると言います。普段はトゲトゲしているのに、美しい花が咲くギャップも魅力的です。
1-4-3.美しい花が咲く
亜熱帯でもたくましく育ち、美しい花が咲く姿に強い生命力を感じますよね。サボテンの花が咲いたときの喜びと感動は格別です。
1-5.サボテンの人気種をご紹介!
多肉植物ブームの現在、どのようなサボテンが人気なのでしょうか?1度は育ててみたい、憧れの人気種をご紹介します。
逆鱗(げきりん)丸/コピアポア属
南米チリ北部の乾燥地帯、アタカマ砂漠が原産のサボテンです。サボテン愛好家の中でも人気があります。琥珀(こはく)色の棘(とげ)にと独特な雰囲気が特徴です。見た目とは裏腹に直射日光に弱いため、強い日差しに長時間充てることは避けましょう。成長期には黄色い花が咲きます。
白王丸/マミラリア属
メキシコ乾燥地帯が原産地、丸い体が人気のサボテンです。白く鋭い棘(とげ)が密生しています。綿毛をまとう姿はとてもかわいらしいですよ。頂部に、ピンク色の花が冠のように咲きます。
グミフェラ/ユーベルマニア属
力強さを感じる形状なのに、小さく愛らしい黄色い花が咲きます。見た目と咲く花のギャップがたまらないサボテンです。
2.サボテンの上手な育て方
育てやすい植物として人気のサボテンですが、実は管理の難しい植物でもあります。育て方を間違うとすぐに枯れてしまうのです。この項ではサボテンの基本的な育て方について知っておきたい情報をまとめました。サボテンを育てている方も、ぜひチェックしてみましょう!
2-1.サボテンの基本的な育て方
2-1-1.日当たりのいいところに置こう
サボテンは、乾燥地帯に生えている日光が大好きな植物です。室内であっても1日に4時間ほどは、日の当たる場所に置いてください。ただし、サボテンを長時間、直射日光に当てると日焼けしてしまいます。サボテンが茶色や赤色になっているのは日焼けです。残念ながら日焼けしてしまったサボテンは元に戻りません。自生しているサボテンでも岩陰に生え、直射日光を避けているのです。真夏の強い日差しには気を付けましょう。また、サボテンの種類によっては日陰が好きなサボテンもあります。
2-1-2.風通しと温度は?
サボテンは乾燥している場所で育ちます。湿度の高い場所では、土に水分が溜(た)まり、サボテンの根が腐れしてしまうでしょう。風通しのいい場所に置いてください。サボテンに適した気温は、最低気温5度、最高気温40度です。
2-1-3.サボテンの地植え
サボテンに向いている土は、水はけがよく通気性のいいものです。園芸店などに行けば多肉植物用の土を購入できます。用意する土は、土の粒がそろっているものを選びましょう。土の粒がそろっていると、隙間が均一になり通気性がよくなります。
2-1-4.サボテンを植える鉢は?
植木鉢を使う場合は、素焼き鉢を選んでください。プラスチックのものは通気性が悪く、根が腐れやすいです。プラスチックやブリキ缶を使う場合は、鉢の底に穴をあけてください。また、サボテンを植える鉢が大きいと、水はけが悪くなり腐りやすくなります。サボテンは小さめの鉢に植え土が乾燥しやすい状態を作りましょう。
2-1-5.水やりのポイント
サボテンは、季節に適した水やりをすることが大切です。5月~9月は、株が生長する季節なのでたっぷりと水をあげましょう。水やりのタイミングは、土の表面が乾いたときです。鉢の底から流れ出るくらいにたくさんあげてください。真夏の7月~8月は、サボテンの生長も穏やかです。土の表面が乾いても、2~3日空け土を乾かしながら育てます。真夏の水やりは、朝か夕方がオススメです。日中に行うと暑さで水が水蒸気になり株が蒸れてしまいます。注意しましょう。
2-2.初心者にオススメの種類は?
初心者でも栽培しやすいサボテン3種類をご紹介します。管理しやすいサボテンなら、すてきな花を咲かすことも難しくありませんよ。サボテンを育てるのが初めての方は、参考にしてみてください。
2-2-1.雪晃(セッコウ)/ブラジリカクタス属
ブラジル原産、赤やオレンジの美しい花が咲くサボテンです。サボテンの花は通常3日ほどで枯れてしまうのですが、雪晃(セッコウ)は、約2週間、昼夜問わず咲き続けます。体は丸く産毛のように白い棘(とげ)が雪のように見えることから雪晃(セッコウ)と名づけられました。栽培方法も手間がかからず初心者向きの品種です。開花時期は3月~5月で、黄色い花が咲く品種もあります。
2-2-2.象牙丸(ゾウゲマル)/コリファンタ属
先述の”きれいな花が咲くサボテン”でもご紹介した象牙丸(ゾウゲマル)は初心者も育てやすいサボテンです。艶のある深緑の肌に、岩山のような球体が”愛らしい”と人気があります。丈夫で増やしやすく、育てるのが楽しくなるサボテンです。暑さや寒さに強く、排水性のいい土で育てるとよく生長します。
2-2-3.短毛丸(タンゲマル)/エキノプシス属
サボテン愛好家以外でもファンが多い品種です。生長が早く栽培も楽チン、日本の気候にも合っています。直径10cmにもなる大きな花が咲くのが魅力です。初めは丸い形ですが、生長すると円筒形に育ちます。
2-3.サボテンの栽培に必要な道具
サボテンは、生育中に植え替えが必要になります。植え替えに備え、サボテンの栽培に必要な道具をチェックしておきましょう。
- 鉢・・・水はけのいいものを用意しましょう。
- 多肉植物用の土・・・園芸店で市販されているものでもOKです。
- 鉢底石・・・鉢のサイズに合わせて大きさを選びましょう。
- スコップ・・・使いやすいものを用意してください。
- ピンセット・・・葉っぱの間に土が入ってしまったときなど細かい作業用に使います。
- 割りばし(ソイルスティック)
- 土を入れるときや整えるとき、小さなサボテンを植え替えするときにも便利です。
- じょうろ・・・水やり用にお気に入りにものを用意しましょう。
- はさみ・カッター・・・サボテンを切るときに使います。
サボテンが生長すると鉢が小さくなります。サボテンを購入した翌年から花が咲かなくなったという人も少なくありません。理由は、サボテンが生長し鉢が小さくなったことが関係しています。生長に合わせて適切な鉢に植え替えしてあげましょう。
3.サボテンの基本的な増やし方
サボテンを上手に育てていると、凄い早さで子株が増えます。サボテンの増やし方をチェックして増えた子株を、家族や友人へプレゼントしてみましょう!
3-1.サボテンってどうやって増やす?
3-1-1.子株を切り離す
サボテンは生長すると子株が生えてきます。生えた子株は、ピンセットで掴(つか)みねじるように切り離してください。カッターを使うときは、アルコール消毒したものを使いましょう。
3-1-2.子株を乾燥する
切り取った子株は、風通しのいいところで乾燥しください。切り口を乾燥する理由は、切り口から細菌が入りサボテンが腐らないようにするためです。切断面が1cm以下の場合は、3日~1週間ほど乾燥します。乾燥は直射日光で行うと腐れてしまいますので注意しましょう。大きなサボテンの場合、乾燥に2か月ほどかかる場合もあります。
3-1-3.発根させる
切断面を乾燥するときは、小さな入れ物に立てておくと、サボテンの体が歪(ゆが)みませんよ。切断面を下にして、新聞紙に包んでおくと発根します。切断面から小さな根が出てきたら発根成功です。品種によっては発根が必要ないサボテンもあります。また、発根は品種により1週間~1か月かかりますので気長に待ちましょう。発根を待つのも楽しいですよ。
3-1-4.子株を鉢に植える
鉢に土と肥料を6分目ほど入れ、子株を挿します。子株の周りに追加でふんわりと土を入れてください。直射日光の当たらない場所で育てます。1週間~2週間ほどしたら霧吹きやじょうろで水をあげましょう。2か月~3か月もすると根が生えてきます。
3-2.サボテンを種から育てるメリット・デメリット
サボテンは、鉢植えされ成長したものを購入する方が多いですよね。しかし、サボテンの魅力にハマってしまうと、種から育ててみたいと思う方もいらっしゃるでしょう。サボテンはもちろん、種から育てることも可能です。芽が出たばかりの小さな赤ちゃんサボテンはとても愛らしい姿をしています。種から育てると、小さなサボテンが生長しやがて大きな花が咲く過程を楽しむことができるでしょう。これは、植物を育てる醍醐味(だいごみ)ですよね。種から育てたサボテンは一段と愛着がわきます。しかし、サボテンを種から育てるのは難しく、種まきから水やりまで、品種に合わせた管理が必要です。
4.サボテンの種まきについて
4-1.サボテンの種はどこで手に入る?
サボテンは生長した姿がほとんどで、種を見たことがないという方も多いのではないでしょうか?サボテンの種は、ホームセンターの園芸コーナーやインターネットで購入することができます。生長した状態では高価な品種も、種なら安価で手に入れることが可能です。
4-2.自分で種を摂る方法とは?
サボテンも植物ですから花が咲き、実がなると種を取り出すことができます。今育てているサボテンから種を取り出すには、実がなるタイミングを待ちましょう。サボテンの種はとても小さくゴマほどの大きさです。1つ1つ取り出すことは難しいでしょう。サボテンの実を取り水に浸して種子だけ取り出す方法が簡単です。取り出した種は、乾燥してから使いましょう。
4-3.種まきに必要な道具をご紹介
種まきに必要な道具をそろえましょう!
- 清潔な赤玉土など
- 入れ物(鉢・プラスチック・イチゴのパックでもOK)
- 種
- 入れ物が入る容器(鉢皿)
- 水
- ラップ
- 鉢底石
- 霧吹き
サボテンの種はとても軽いです。鉢の上から水を上げると種が流れてしまいます。サボテンの種の水やりは、鉢皿などに水を張り下から吸わせる方法(腰水)をとりましょう。容器は鉢ではなく、底に千枚通しなどで穴をあけたタッパーやプリンカップなどでも構いません。
4-4.種まき用の土について
種まきに使う土は清潔なものを用意してください。使用済みの土には細菌が付いている可能性があります。菌があると発芽後、芽が腐れてしまう恐れがあるでしょう。肥料の入っていない小粒の赤土や、パーライト(白い粒上用土)、バームキュイライト(土壌改良用の土)などを用意してください。園芸店やホームセンター、インターネット通販で購入できます。サボテンを育てるときは乾いた土がいいとされていますが、種まきに使う土は少し湿っている方いいです。使う前に水で濡(ぬ)らしておきましょう。
4-5.種まきに適した時期
サボテンの種まきに適した時期は、最低気温が20度を超えるころです。季節で言えば、5月の終わりから秋までがいいとされています。秋に種をまいて発芽しても、小さな芽が出ることに寒くなれば十分に育たない可能性もあるでしょう。もし、冬に種まきする場合は、25度くらいに保温してください。
4-6.種まきの手順と方法
種まきの手順をご案内します。
- 容器に鉢底石を2~3㎝ほど敷く
(そこが浅い容器の場合は敷かなくてもいい) - 赤玉土を容器に入れる
- 土に水をあげる
- 種を等間隔でパラパラまく
- 種をまいたら霧吹きで種に水分を含ませる
- 容器にラップをかけ保湿(湿度と温度を保つため)
ラップには空気穴をあけておきましょう。 - 腰水をする(容器ごと水の溜(た)まった容器に浸(つ)けておく)
腰水をしない場合は、霧吹きで毎日水をあげてもいいでしょう。種まき後は、直射日光が当たらない窓際などに置いて育ててください。発芽には20度以上必要なため、温かい場所で管理しましょう。品種にもよりますが、うまくいけば3日~1週間ほどで発芽します。
4-7.種まきキットで手軽に栽培
最近は、サボテンを種から育てることができる”種まきキット”が販売されています。オシャレな容器に、サボテンを育てるために必要なものがすべて入っているものです。小さな缶の中で手軽にサボテン栽培を楽しめるとあって、若い人を中心に人気が広がっています。場所を取らないのでオフィスのデスクで育てている人も多いです。サボテンを種から育ててみたいけど、自信がない方は栽培キットを使い気軽に始めてみてはいかがでしょうか?
5.サボテンの種まき7つのコツ
サボテンの種まきで気を付けておきたい7つのコツについてお伝えします。サボテンを種から育てるときは参考にしてください。
5-1.サボテンの発芽に最適は温度は?
サボテンに最適な発芽温度は、25度~30度です。20度以上あれば、種まきできます。25度~30度を保つようにすると、より良いでしょう。朝と夜の寒暖の差は、あまりよくありません。一定温度を保つようにしましょう。40度以上になると発芽が停止するため、日差しの強くなる午後は置き場所に気を付けてくださいね。
5-2.強い日差しは避けよう
先ほど、サボテンは強い日差しに長時間当たると日焼けするとお伝えしました。サボテンの種も同じで、強い日差しが苦手です。日の当たる場所に置くのは大切ですが、時間により直射日光が当たる場所かどうか見極めてから置きましょう。もし日差しを遮りたい場合は新聞紙をかぶせておくといいですよ。
5-3.清潔な土が必要!
サボテンを種から育てるときは細菌に気を付けなければなりません。サボテンを増やすときに子株の切り口を乾燥するのも細菌の繁殖を防ぐためです。サボテンの種を植える土は肥料などが混ざっていない清潔な赤土が適しています。1回使った土は細菌がいるため、再利用するのは避けましょう。
5-4.水やり
サボテンは水をやり過ぎると根が腐ります。また、控えすぎても、枯れてしまう植物です。一般的にサボテンは、水やりの回数が少ないことから育てやすいと認識されています。しかし、実は慣れるまで管理が難しい植物なのです。特に水やりの頻度は、気を付けなければなりません。種まき後のサボテンは、乾燥に気を遣います。腰水で育てる場合は、水が減らないよう注意しましょう。腰水しない場合は、毎日霧吹きで水を与えてください。
5-4-1.生長したサボテンの水やりの目安
サボテンは、4月~6月、9月~10月に生育が盛んになります。表土が乾いた翌日には鉢の底から流れ出るくらいたっぷりと水を与えましょう。生育が緩くなる7月と8月は、表土が乾いてから3日ほど後に水やりしてください。3月と11月は生育が止まる時期のため、水やりは2週間に1回程度で大丈夫です。気温が下がる1月・2月・12月は、3週間~4週間に1回程度の水やりに控えましょう。
5-5.肥料について
サボテンの種まきでは、肥料より清潔な土を使うことが大切です。肥料は、サボテンの生育に必ず必要というわけではありません。大きく育てたいと思う方は、サボテンが発芽し育って植え替えするときに肥料を与えましょう。また、サボテン用の土を使って種まきしても構いません。
5-6.種の消毒について
サボテンの種は細菌に弱いため、腐りやすいです。カビの発生を防ぐためにも、種は殺菌しましょう。家庭にある消毒用アルコールを少量手のひらに落とし優しく揉(も)むか、優しく拭き取ってください。このときサボテンの種子をつぶさないよう注意しましょう。
5-7.発芽後に気を付けること
サボテンの種類や環境にもよりますが、早いものでは種まきの3日後には発芽し始めます。発芽後は、温度が40度以上になると種が煮えてしまうので要注意です。直射日光が当たらない明るい窓際やベランダに置きましょう。発芽してからまだ小さいうちは水を切らすと生長によくありません。腰水は切らさないようにしてください。芽が出たばかりのサボテンはとてもデリケートです。霧吹きで水やりする場合、圧力で倒れてしまうこともあります。サボテンが小さい内はスポイトを使い水やりしましょう。
6.サボテンに関するよくある質問
Q.サボテンがぐらぐらして、触るとブヨブヨします。どうしたらいいでしょうか?
A.サボテンがブヨブヨするのは、根腐れしている可能性があります。根腐れしているかは、根に近い場所を切るしか確かめる方法はありません。腐っている部分を取り除き、挿し木(植え替え)しましょう。
Q.種まきに多肉植物用の土を使ってもいい?
A.市販している多肉植物用の土を使えば、発芽後もそのまま育成できます。ただし、肥料が含まれている土は、根や芽が痛むことがあるため肥料の入っていないものを使うといいでしょう。
Q.サボテンの植え替え時期に適した季節を教えてください。
A.サボテンの植え替えは、春と秋が適しています。サボテンは1年に1回植え替えすると生長にもいいです。気温が安定している春・秋に行うと失敗が少ないでしょう。
Q.サボテンが曲がってきました。何が原因ですか?
A.サボテンは、日光が足りないと曲がってしまうことが多いです。置き場所を変えてみましょう。
Q.健康なサボテンを見分ける方法を教えてください。
A.健康なサボテンは、艶があり深い緑色をしています。表面にハリがありふっくらしているものを選びましょう。棘(とげ)がたくましく、体が先細りしていないものは健康です。サボテンの種類により形が異なるためわかりにくいですが、購入前の参考にしてみてください。
まとめ
この記事では、サボテンを種から育てるために必要な基礎知識や注意点などをご紹介しました。放置してても育つイメージが強いサボテン。この記事を読んで意外に管理が難しい植物だと思った方も多いのではないでしょうか。管理が難しいとはいえ、育て方の基本さえ押さえていれば、種から大きく育てることも可能です。大事に育てたサボテンに大きな花が咲いたときは感動します。サボテンは知れば知るほど魅力が増す植物です。色々な形や性質を楽しめるサボテンをあなたもぜひ育ててみてはいかがでしょうか?