育てやすいサボテンでも育て方が悪いと割れてしまいます。せっかく愛情込めて育ててきたサボテンが、割れてしまって元気がなくなるとショックですよね。何とか元気にさせてあげたいけど、どうすれば良いのかわからない方も多いでしょう。対処法を間違えてしまうと、サボテン全体が枯れてしまう恐れがあります。失敗しないためにも正しい知識を得ることが大切です。
そこで本記事では、サボテンが割れる理由や割れたときの対処法・育て方などについて詳しく説明します。
この記事を読むことで、割れたサボテンの正しい対処法と育て方についてわかります。サボテンが割れて困っている方や育てたい方は、ぜひチェックしてください。
1.サボテンが割れる理由
多肉植物とも呼ばれるサボテンですが、パッカリ割れてしまうことがあります。まずは、割れる理由についてしっかり把握しておきましょう。ここでは、割れるときの症状や原因・種類について説明します。
1-1.サボテンが割れるときの症状
サボテンに穴があいたり、亀裂が入ったりしている場合、身割れを起こしている可能性があります。身割れとは、サボテンが割れることです。身割れから時間がたつほど、割れた部分の色が茶色に変わり始めます。前日何ともなかったのに、翌日パッカリと縦方向に割れていたというケースもあるのです。そのため、できれば毎日サボテンの状態をチェックしたほうが良いでしょう。また、身割れを放置していると、少しずつ亀裂・穴が広がり、腐敗が侵食する恐れもあります。軽症のうちに早めに対処しなければなりません。
1-2.割れる前のチェックポイントは?
サボテンに小さな傷がついていたり、パンパンにふくらんでいたりするときが割れる前の症状です。特に、パンパンになっている状態で水を与えると身割れが起きる可能性があります。サボテンの状態をチェックする場合は、傷がついていないか、パンパンにふくれていないかの2点に注目してください。また、葉がしなびている・緑色から茶色になっているなど元気がない場合も身割れがしやすい状態といえます。
1-3.割れる原因は?
サボテンが割れる原因は、ほとんどが水の与えすぎです。もともと、サボテンは雨が少ない乾燥地帯が原産地であり、水が少なくても元気に育つ乾燥耐性・再生力を持っています。そのため、頻繁に水を与える必要はありません。しかし、サボテンの性質を知らない方はほかの植物と同じように水を与えてしまいがちです。結果、水のやりすぎで根腐れを起こし、割れてしまいます。また、育生環境や温度も割れる原因のひとつです。
1-4.割れやすい種類
ほとんどのサボテンは寒さに強いですが、中には弱い種類もあります。寒さに弱いサボテンを5度以下の環境で育生すると割れる恐れがあるため注意が必要です。寒さに弱いサボテンは、ユーベルマニア属・ディスコカクタス属・メロカクタス属が挙げられます。耐寒性のあるサボテンでも日照不足になれば弱まり、割れる可能性もあるのです。育生環境には十分に注意しなければなりません。
1-5.土づくりにも要注意!
サボテンの身割れは、日照不足や水の与えすぎのほかに、土が合っていない可能性も考えられます。植物を育てるためには、土づくりが必要不可欠です。園芸用の土はサボテンの育生に合っていないので注意してください。土づくりに関しては、後ほどの【3-2.身割れしないための土づくり】で詳しく説明します。
2.サボテンが割れたときの対処法
サボテンが割れているのを見つけたとき、放置してはいけません。すぐに対処しなければ、状態が悪化してしまいます。それでは、割れたときの対処法について詳しくチェックしていきましょう。
2-1.対策方法
傷が浅く、ひどい状態になっていなければ、水やりを控えてください。水を与えないことで、自然とかさぶたができ、元気な状態に戻る可能性があります。日当たりと風とおしの良い場所に置いて、様子を見ましょう。水やりを控えめにしても状態が変わらない、また、亀裂や割れ目が大きく広がっている場合は、挿し木をしてください。挿し木とは、サボテンを増やす方法です。茎から生えている小さな子株を切り取り、ほかの鉢に植え替えましょう。根腐れや身割れを起こしている部分を使ってはいけません。元気な子株を切り取ることが大切です。
2-2.予防策
サボテンの割れを防ぐためには、適切な育生環境が大きなポイントです。育生環境のポイントを以下にまとめてみましたので、ぜひチェックしてみてください。
- 1日3~4時間日光に当てる
- 温度は最低5度、最高40度を目安にする
- 湿気のない、風とおしの良い場所に置く
また、水を与えすぎないこと、できれば毎日サボテンの状態をチェックすることも大切な予防策です。異変を見つけたら、すぐに対策を立てましょう。
2-3.そのほか
日本には、春・夏・秋・冬と四季があり、それぞれ温度が異なります。春と秋は育てやすい時期でもあるため、日当たりの良い室外に置くと良いでしょう。ただし、雨が当たらないように雨よけのある場所に置かなければなりません。また、夏の強すぎる日光はサボテンの日焼けを起こす可能性があります。最低温度が5度以下になる場合は、室内に入れてくださいね。
3.割れを防ぐサボテンの育て方について
割れを防止できるかは、サボテンの育て方にかかっています。これから、割れを防ぐサボテンの育て方について説明しましょう。
3-1.基本的な育て方
基本的な育て方を知ることが、身割れを防ぐ大切なポイントです。サボテンを楽しく育てるためにも、基本的な育て方をチェックしておきましょう。
3-1-1.初心者向けの種類
サボテンの育生に失敗する原因には、いきなり難しい種類に挑戦することも挙げられます。初心者は、初心者向けの種類から挑戦してみてください。サボテンの中でも育てやすい種類といえば、緋牡丹(ひぼたん)・翠冠玉(すいかんぎょく)・越天楽(えてんらく)・白桃扇(はくとうせん)・鶴の子が挙げられます。小さい花が咲き、子株が出やすい特徴を持っているため、サボテンの中でも人気があるものばかりです。まずは、育てやすい種類の中からお気に入りのサボテンを選んで育ててみてください。
3-1-2.そろえる道具
サボテンを育てるために必要な道具を事前に準備しておかなければなりません。最低限、用意しておきたい道具は以下のとおりです。
- サボテンを入れる鉢
- 鉢底土
- 多肉植物用の土
- スコップ
- ハサミ
- ピンセット
- じょうろ
ピンセットはサボテンについている虫を取りのぞくために必要です。虫を見つけたらすぐに取りのぞきましょう。また、鉢はできるだけ水はけが良い種類を選んでください。根腐れを防ぐためです。そして、選んだ鉢のサイズに合った鉢底石を選択します。サボテンが大きく成長したときは、ワンサイズアップした鉢植えを用意して植え替えましょう。
3-1-3.どこで育てるか?
光・風・雨を考慮した場所でサボテンを育ててください。基本的に、日当たりが良く、雨が当たらない場所がベストです。風とおしと日当たりが悪い場所で育てていると、枯れてしまいます。また、夏場は日差しが強くなるので、レースのカーテン越しで太陽光に当てたり、半日陰になる場所に置いたりと工夫してください。
3-2.身割れしないための土づくりとは?
土づくりは植物を上手に育てる大切なポイントです。サボテンを育てる場合は、排水性と通気性の良い土づくりを心がけてください。自分で土づくりができない場合は、市販の多肉植物用やサボテン用の土を使うと良いでしょう。園芸用の土は向いていないので選ばないように気をつけてください。自分でつくる場合は、赤玉土(小粒)・鹿沼土(小粒)・ボラ土(小粒の軽石)を4・4・2の割合で混ぜ合わせます。
3-3.根腐れしない水やりのコツとは?
水やりの頻度は、成長期と休止期で異なります。ぐんぐん成長する時期は、水を必要としているため、土が乾いたら与えてください。鉢底から流れるぐらいに水を与えると良いでしょう。鉢全体に水が行き渡るように与えれば、根腐れを起こしにくくなるのです。生育が盛んになる4月~6月・9月・10月は土が乾いた翌日にたっぷり水を与えてください。生育が緩やかになる7月~8月は土が乾いて3日後に、成長が停止する3月と11月は2週間に1回程度で十分です。1月・2月・12月は低温期に入るため、3~4週間に1回で構いません。ただし、凍結の恐れがある場合は水を与えなくても大丈夫です。
3-4.肥料について
肥料は植物の成長をうながすために与えるものです。しかし、サボテンは肥料を与える必要はありません。強い生命力を持っているため、肥料なしでもぐんぐん育ちます。特に、成長が止まっている時期は肥料を与えないでください。元気がない場合は、少しずつ何回かにわけて肥料を与えてみましょう。一般的に、サボテンの場合は植え替えの際に肥料を一緒に植えこみます。
4.サボテンの育て方に関するよくある質問
サボテンの育て方に関するよくある質問を5つピックアップしてみました。これから、育てようと思っている方はぜひチェックしてください。
Q.サボテンを植え替えるポイントは?
A.サボテンは年に1回の植え替えをしてください。植え替えをしなければ、鉢内が根でいっぱいになり、根腐れを起こす恐れがあります。また、植え替え時期は春と秋が最適です。生育にちょうど良い時期だからこそ、失敗を防ぐことができます。植え替え後、1週間~10日ほど水やりを控えることも大切なポイントです。植え替え直後の水やりが根腐れの原因になるため注意してくださいね。
Q.サボテンの選び方は?
A.サボテンを園芸店やホームセンターなどで選ぶ場合、表面のハリ・葉の色・茎の太さに注目してください。表面にハリがあり、緑色で茎が太くしっかりしているサボテンほど、良い状態のあかしです。葉っぱも変色しておらず、元気な緑色になっているかチェックしてください。健康状態が悪いサボテンを選んでしまうと、すぐに枯れてしまう恐れがあります。細かい部分までしっかりチェックして、慎重に選んでくださいね。サボテンや多肉植物の育成・販売をおこなっている「コピアポア」では、幅広い種類を取り扱っています。ぜひチェックしてみてください。
Q.根腐れの見わけ方は?
A.サボテン全体の色が茶系に変わる・茎が緑色ではなくなっているなど、色が悪くなってきた状態は根腐れを起こしている証拠です。成長が止まり、サボテンの形が少しずつ崩れ始めるでしょう。また、サボテン全体が変色を起こしている状態は回復ができない可能性が高いのです。
Q.枯れても復活できる可能性はあるのか?
A.枯れても状態によっては復活できる可能性は十分にあり得ます。根元から腐っている場合、上部の健康な部分を水平にカットしてみてください。芯が健康な状態であれば、切り口をしっかり乾燥させ、撥水(はっすい)性に優れている土の上に置きましょう。土の上に置くときは、切り口を下にしてください。後は風とおしの良い場所に置いておけば、2週間~1か月程度で新しい根が出てきます。
Q.サボテンに与える水の温度は何度がベストか?
A.冬場は気温も下がるため、冷水での水やりは避けてください。冷水を与えてしまうと、サボテンが冷たくなり、根腐れの原因にもなります。ベストな水温は、15度~20度くらいのぬるま湯です。サボテン自体を冷たくさせない水温が良いでしょう。
まとめ
サボテンが割れる原因の多くが水の与えすぎです。サボテンは乾燥地帯でも元気に育つ植物なので、普通の植物よりも水を与える必要はありません。水のやりすぎが根腐れを起こし、身割れにつながる可能性が高まるというわけです。
また、ほかにも日照不足や間違った生育環境などが原因として挙げられます。風とおしと日当たりの良い場所で育てていき、年に1回の植え替えをしていけば元気な状態が維持できるのです。サボテンを楽しく育てるためにも、基本的な育て方を把握してください。最初は、初心者向けのサボテンから育てていき、慣れてきたらさまざまな種類に挑戦すると良いでしょう。