サボテンの水不足で起こる症状は? 正しい水やりのための5か条

サボテンを育てる際には、水不足についても知っておきましょう。サボテンは育てやすいというイメージがあると思います。ガーデニング初心者でも失敗なく育てられると思っている人は多いでしょう。しかし、実際には栽培に失敗する人も少なくないのです。その理由は、サボテンの正しい育て方を知らないためでしょう。特に水やりについては、きちんと理解せずに育てている人がたくさんいます。

この記事では、サボテンの水やり方法や水不足によって起こる症状などを詳しくご紹介しましょう。

  1. サボテンの基礎知識
  2. サボテンの水やりについて
  3. サボテンが水不足になるとどうなるのか?
  4. サボテンを水不足にしないために
  5. サボテンの水不足に関するよくある質問

この記事を読むことで、水不足がサボテンに与える影響や正しい水やりの方法などが分かります。ぜひ参考にして、元気なサボテンを育ててください。

1.サボテンの基礎知識

まずは、サボテンという植物について詳しくご紹介します。

1-1.サボテンとは?

サボテンはサボテン科に属する常緑性の多年草で、原産地は南北アメリカ・ガラパゴス諸島などです。湿度が低い乾燥地帯に多く生息しており、日本には16世紀後半に伝わったと言われています。サボテンは種類が多様で、その形態もさまざまです。すべての種に「刺座(しざ)」と呼ばれる器官があり、トゲが密生しています。鮮やかな花が咲くものや食用の実を付けるものも存在しており、独特の形状からインテリアとして部屋に飾られることも多いのが特徴です。

1-2.魅力

サボテンは同じ種類でも一つ一つが個性的でユニークな形状をしています。そのかわいらしい姿に癒(い)やしを感じるため、インテリアとして飾って楽しんでいる人も多いでしょう。サボテンの種類は非常に豊富で、好みのものを選べるのも魅力一つです。また、ほかの観葉植物と比べて手間がかからず育てやすいという特徴もあります。

1-3.人気の現状

最近は100円ショップでもサボテンを購入できるようになり、より身近なアイテムとして人気が上昇中です。風水においても悪い気をはねのける作用があるとして注目を集めています。さらに、ここ数年は土を使わない水耕栽培の人気も高まっており、水耕栽培でも育てられるサボテンは、栽培用としてもよく選ばれているのです。

2.サボテンの水やりについて

では、サボテンの基本的な育て方をご紹介しましょう。

2-1.育て方

サボテンは日光を好みます。窓際など、できるだけ日光が十分に当たる場所を選んで置くようにしてください。ただし、夏場の直射日光は日焼けの原因になります。窓際に置く場合は、レースのカーテン越しに日を当てるなど工夫が必要です。屋外に置く場合は雨にぬれないよう、特に梅雨の時期は気を付けるようにしてください。また、サボテンには暑さが苦手な種類もありますが、寒過ぎる環境もよくありません。冬場は窓際だと凍ってしまうこともあるため、夜は置き場所を移動するようにしましょう。

2-2.水やりについて

次に、水やりについて解説します。

2-2-1.「サボテンに水は必要ない」は本当なのか?

サボテンは砂漠に生息するイメージがあるため「水やりは必要ない」と思っている人も多いでしょう。しかし、この考えは間違いで、水をやらないと枯れてしまいます。ただし、水の与え過ぎは根腐れの原因になることもあるため、タイミングや量をしっかりと見極めて与える必要があるのです。

2-2-2.水やりの道具と方法

サボテンの水やりには、霧吹きとじょうろを用意しましょう。土にじょうろで水を注(そそ)ぐことを「灌水(かんすい)」と言います。灌水(かんすい)とは別に、霧吹きを使って葉に水を吹きかけるのが「葉水」です。葉水をすることによって乾燥を防止し、生育を促します。

2-3.水やりのタイミング

サボテンの水やりはタイミングが重要になります。そのタイミングは季節によっても変わってくるため注意が必要です。

2-3-1.季節別のタイミング

基本的に、サボテンの水やりは土の表面が乾いたら行います。土の乾き具合は季節によって変わるため、その季節に応じてタイミングを考える必要があるのです。サボテンの成長期に当たる春と秋は、2週間に1回のペースで水やりをしてください。夏と冬は休眠期になるため、月に1回の水やりで問題ありません。

2-3-2.最適な時間帯

水やりに最適な時間帯も、季節によって異なります。夏はできるだけ涼しい時間帯が好ましいため、朝方か夕方以降に水やりを行ってください。気温が高くなってから水やりをすると鉢の中が湿ってしまいます。反対に、冬はなるべく暖かい時間帯がおすすめです。

2-3-3.量

春は株が成長するため、たっぷりと水を与える必要があります。土の表面が乾いたら、鉢の底から流れ出るくらいの量を与えましょう。夏場はサボテンの成長が穏やかになるため、土を乾燥させて育ててください。水やりの量は少なめにしておきましょう。休眠期に向かっていく秋には水の量をさらに減らしていき、冬場は完全に水やりをストップしても問題ありません。

3.サボテンが水不足になるとどうなるのか?

サボテンが水不足に陥るとさまざまな症状が現れます。そのまま放置するとどうなるのでしょうか。

3-1.水不足の症状

水不足の状態になると、見た目が変わってきます。色が薄くなり、触ってみると乾燥しているのが分かるでしょう。見た目や色・手触りなどをこまめにチェックし、水不足に陥っていないか確認することが大切です。

3-2.水不足のまま放置するとどうなるのか?

水不足のまま放置すると、最終的には枯れてしまいます。徐々に薄く変色してくるため、その時点で対処すれば完全に枯れるのを防ぐことも可能です。しかし、完全に枯れてしまった場合、復活は難しいでしょう。

3-3.そのほかの注意点

水不足を防ぐために水を与え過ぎるのは危険です。サボテンはほかの観葉植物に比べて、多くの水を必要としません。水を与え過ぎると根腐れを起こし、サボテンがぶよぶよの状態になってしまうのです。水やりは「不足しないように、与え過ぎないように」を心がけましょう。

4.サボテンを水不足にしないように

サボテンの水不足を防止するためにはどうしたらよいのでしょうか。対応策をご紹介します。

4-1.正しい水やりを徹底すること

水不足を防ぐためには、正しい水やりを徹底することが大切です。水不足の原因は水やりの仕方にあるため、十分に注意していれば防ぐことができます。「サボテンは水やりが不要」と思っている人もいるため、水不足に陥って枯れてしまうことが多いのです。実はデリケートな植物であることを理解し、しっかりと正しい水やりを継続してあげましょう。

4-2.置き場所に注意すること

クーラーやエアコンの風が当たると土が乾きやすくなってしまいます。正しい水やりをしていても水不足に陥ってしまう可能性があるため、クーラーやエアコンの風が直接当たる場所には置かないようにしてください。

4-3.そのほか

サボテンが大きく成長し、鉢のサイズに合わなくなってくると、植え替えが必要になります。植え替えをせず放置しておくと、土に水が染み込んでいかなくなり、水不足を起こしてしまうこともあるのです。以下のようなサインが現れたときは、早めに植え替えを検討してください。

  • 鉢とサボテンのバランスが悪くなってきた
  • 鉢のそこから根が飛び出している
  • 1年以上植え替えをしていない

5.サボテンの水不足に関するよくある質問

「サボテンの水不足について知りたい」という人が感じる疑問とその回答をまとめてみました。

5-1.「サボテンの水は霧吹きであげる程度でよい」と聞きましたが、本当ですか?

A.その情報は間違いです。春は鉢底の穴から水があふれ出すくらいたっぷりと与える必要があります。ただし、頻繁に与えると根腐れを起こしてしまうため注意してください。

5-2.枯れてしまったサボテンが復活できるかどうか、見極めるにはどうしたらよいですか?

A.健康な部分を水平に切り取り、芯が腐っていないか確認してみてください。健康な状態であれば、切り口を下にして土の上に乗せ、日陰で管理すると根が出てきます。

5-3.冬の水やりで注意することは何ですか?

A.冬は与えた水が凍結する可能性が考えられます。気温の低い時期は、まったく水やりをしないのも一つの方法です。

5-4.サボテンの頭からかぶせるように水を与えるのはやめた方がよいですか?

A.品種によってはトゲが傷むため、やめた方がよいでしょう。

5-5.サボテンを植え替えした後にすぐ水やりをした方がよいですか?

A.植え替え後は1週間~10日ほど、水やりを控えてください。直射日光の当たらない場所に置き、順調に育っているかこまめに観察しましょう。

まとめ

いかがでしたか? サボテンの水不足について詳しくご紹介しました。サボテンは手間がかからず、初心者にも人気の植物と言われています。しかし、実は意外と育てるのが難しいということを知らない人は多いでしょう。水不足によって枯れることもあるということを理解し、正しくサボテンを栽培してください。