サボテンは、手間いらずで簡単に育てることができるグリーンとして人気があります。最近はサボテンの種類も増え、園芸店だけでなくオシャレな雑貨屋やインテリアショップでも販売されるようになりました。ところで、サボテンを育てているうちにうっかり折ってしまったという経験はありませんか? また、病気や根腐れを起こした場合は、自然に茎が折れてしまうこともあります。
今回は、サボテンが折れた場合の対処方法や修復方法をご紹介しましょう。
この記事を読めば、サボテンが万が一傷ついてしまった時でも修復することができるようになります。サボテンを育てている方やサボテンを育ててみたい方は、ぜひ読んでみてください。
1.サボテンとはどんな植物?
サボテンは、サボテン科に属する植物の総称です。茎にに水を貯えることのできる多肉植物ですので、砂漠など乾燥した地域でも生きていくことができます。サボテンといえばトゲが最大の特徴ですが、これは水をたっぷりと含んだ茎を動物に食べられないように変化した葉です。また、トゲはサボテンの茎から水が蒸発するのを防ぐ役割を担っています。サボテンは水がなくても生きられるというイメージがありますが、それは茎に水が蓄えられるからです。育てる場合には定期的な水やりが必要になります。
サボテンはアメリカ大陸が原産で、日本にやってきたのは16世紀ころです。この頃、サボテンは石けんの代用品として使われていました。そのため、石けんを意味するシャボンがなまってシャボテンとよばれ、やがてサボテンに変化します。
環境の変化に強く、見た目がさまざまなサボテンはインテリアとしての人気もあり、いろいろな種類のサボテンが園芸店やホームセンター、雑貨店などで販売されており、人気です。手のひらにのるくらいのサボテンでも、大切に育てればやがて大きくなることもあるでしょう。また、円柱状の姿が特徴的な柱サボテンは、数mの大きさに成長するものもあります。
2.サボテンが折れる原因は?
円柱型や扇形のサボテンは、ある日突然ぽっきりと折れてしまうことがあります。その原因には
- 物理的な接触(強くつかんだ・サボテンにぶつかった・鉢を倒したなど)
- 根腐れをして折れた
- サボテンに傷がつき、そこから雑菌が入って茎の一部が腐って折れた
というものが多いでしょう。サボテンが折れてしまうとそこで栽培をやめてしまう方もいますが、条件によっては再生や修復が可能です。次の項で詳しくご紹介しましょう。
3.折れたサボテンの修復方法・再生方法
この項では、折れたサボテンの修復方法や再生方法をご紹介します。ぜひ参考にしてください。
3-1.修復できるサボテン、できないサボテンの見分け方
サボテンが折れてしまった場合、まず切り口をみましょう。切り口が緑色でみずみずしく元気なようであれば、サボテン自体は元気ですので再生や修復が可能です。
折れた箇所がぶよぶよとして腐っているような場合は、根腐れが茎にまで及んでいるか、茎の一部が腐っている場合があります。腐っている部分が限られている場合は、そこを取りのぞけば再生や修復が可能です。清潔なカミソリやハサミで、腐った分を思い切って切り落としてください。茎全体がぶよぶよとしている場合は、残念ながら修復はできません。
3-2.サボテンの再生方法
折れた部分が5cm以上あれば、折れた部分から発根させることができます。切り口をよく乾燥させたら、新聞紙などに包んで切り口を下にして直射日光が当たらない風通しのよい場所へ、放置しましょう。サボテン用の栽培土の上に折れた茎を横にして置いておくという方法もあります。直射日光に当たらないように注意して3週間ほど置いておくと、切り口から根が出てくるでしょう。種類によっては1か月近くかかりますので、気長に待ってみてください。この時、水やりは必要ありません。
根元部分の方も切り口を乾燥させ、放っておきます。屋外に置いてある場合は雨に濡れないように注意しましょう。2週間もすれば新しい芽が出てきます。
発根がしっかりと確認できたら、折れた茎を鉢に植えてあげましょう。そうすればこのまま育ってくれます。
3-3.サボテンの修復方法
折れたサボテンを再び接ぎ木することもできます。この場合は、切断面を乾かさずに折れた部分をつなぎ合わせてください。この際、瞬間接着剤を利用しましょう。サボテンは生命力が強いので問題ありません。接ぎ木をする際、切断面に土などがついていると、そこから雑菌が茎内に入って腐敗の原因となります。汚れがついている場合はよく洗い流しましょう。瞬間接着剤を使ってもサボテンが不安定な場合は、包帯や麻縄・わらなどを利用して切断面を固定します。サボテンの頂点を抑えるようにして、ひもをかけてください。その後、2週間ほど直射日光の当たらない場所に静かに置いておきましょう。固定したひもを外してもサボテンがしっかりとくっついて、新しいトゲが出ているようなら成功です。
4.サボテンの「折れ」を防ぎ大きくする育て方
この項では、サボテンの折れを防ぎ、大きくする方法をご紹介します。ぜひ参考にしてください。
4-1.サボテンを植え替える
サボテンを大きくするには、年1回を目安に追肥を行って栄養を与えてあげ、植え替えを行いましょう。追肥や植え替えは春か秋に行います。夏と冬はサボテンが休眠状態になるので、夏や冬にサボテンを買った場合はしばらくそのままにしておいてください。
サボテンの中には、鉢の土の表面をきれいな色の砂で固めて販売しているものもあります。大きくしたい場合は、この砂を取りのぞいてあげましょう。ポットに入って売られているものも、植木鉢に植え替えをしてあげます。ポットに入って販売されているものは、季節問わず買ったらすぐに植え替えが必要です。
固められた砂はかき落とすか、鉢ごと水につけて糊をふやかすと取れやすくなります。その後、新しい鉢に植え替えをしましょう。
植え替えをする場合は、多肉植物の土を利用してください。園芸店などで販売されています。通常の園芸用土はサボテンには適していません。また、底に水を抜ける穴が開いていないと、余計な水分がいつまでも鉢の中に溜まって根腐れの原因になります。インテリアとして利用したい場合は、鉢カバーなどを使ってください。
サボテンは植え替えて1週間程度は水やりを行わず、直射日光が当たらないところで様子をみます。1週間たって問題がないようでしたら、そこではじめてたっぷりと水をあげてください。
4-2.追肥や水やりの方法
サボテンには水やりがいらないというイメージがありますが、そんなことはありません。成長期である春や秋になると、通常の植物と同じように水が必要です。ただし、毎日水をあげると根腐れの原因になります。1週間に1度を目安に、土が完全に乾いていることを確認してたっぷりと水をあげましょう。サボテンにではなく、根元に水をあげるのがコツです。
肥料をやる場合も、春か秋に行いましょう。多肉植物用の肥料を少量使います。前述したように夏と冬はサボテンが休眠期に入るので、水やりは月に1度を目安にしてください。この場合でも、水はたっぷりとあげましょう。
4-3.折れを防ぐ方法
前述したように、円柱型のサボテンは上に伸びていきます。自重で折れてしまうこともあるので、支柱を添えてあげましょう。100円ショップやホームセンターで販売されている、リングとセットになった花支柱が便利です。リングがあればサボテンと支柱をひもなどで結ぶ必要もありません。
サボテンが大きくなると、小さな鉢ではバランスが悪くなり倒れやすくなります。サボテンが縦に伸びたら大きな鉢に植え替えてあげましょう。
サボテンが傷ついてしまったら、まず乾燥をさせてください。乾燥させている間は水をやってはいけません。
4-4.サボテンの置き場所
サボテンは厳しい環境下でも育ちますが、ご家庭で栽培する場合は、直射日光の当たらない日当たりの良い場所に置いてあげましょう。湿気が多く寒い場所では、根腐れが起こりやすくなります。寒冷地では、冬場になったら暖かい室内に入れてあげてください。戸外に放置していると寒さで枯れてしまいます。
5.サボテンに関するよくある質問
Q.サボテンが根腐れを起こしたら、捨てるしかありませんか?
A.根腐れは、文字どおり根から腐っていきます。ですから、早めに腐っている根を切り落とせば助かるでしょう。根腐れはなかなか早期発見しにくいのですが、植え替えをする時によく根を観察してください。水をやりすぎないことも大切です。土が内部まで完全に乾いてからあげましょう。
Q.サボテンの切り口が乾燥すると、どのような状態になりますか?
A.表面が白っぽくなり、周囲が縮むこともあるでしょう。表面がいつまでもジュクジュクしているようでしたら、その部分をカミソリなどで切り落としてください。
Q.サボテンは病気などにかかることはあるのでしょうか?
A.サボテンがかかる病気としては、赤くされ病や黒すす病などがあります。いずれもサボテンの一部が変色したりカビが生えたりしますので、その部分を切り落としてしまいましょう。
Q.サボテンは何年くらい生きるものでしょうか?
A.大切に育てれば、20年以上生きるものも珍しくありません。
Q.サボテンがひょろひょろと枝分かれし、かなりみっともない姿になっています。どうしたらよいでしょうか?
A.伸びた部分を清潔なハサミで切り落とし、折れた時の処置と同じようにしてあげてください。切った部分から新しい根が出てきて株分けができます。
おわりに
今回は、サボテンが折れた場合の対処方法などをご紹介しました。サボテンはお世話をしてあげれば大きくなるだけでなく、きれいな花も咲かせてくれる魅力的な植物です。折れた場合も比較的再生がしやすいので、あきらめずに処置をしてあげましょう。