植物の中でもサボテンは育てやすく、観賞用としても楽しめるとあり、大変人気があります。サボテンを育てる過程で注意したいのは、害虫の発生や虫除けについてです。育てやすい植物であるとはいえ、害虫が発生してしまってからでは対処が難しい場合もあります。「サボテンにつく害虫はどんなものがある?」「害虫が発生した際の対処法が知りたい」など、栽培における疑問は自然と生じることでしょう。
殺虫剤で簡単に駆除できる害虫もいれば、1つずつ取り除く必要があるものまで、害虫にはさまざまな種類があるものです。サボテン栽培を楽しみたい方は、害虫への対処法や予防法などを知っておき、虫食い被害などに遭わないようにしましょう。
今回は、サボテンに寄生する害虫や駆除についてご紹介します。
この記事を読むことで、サボテンの害虫に関する知識を深めることができ、サボテンをいつまでも良好な状態で育てることができるようになるでしょう。植物の栽培は害虫への対処法と予防法を知ることが重要です。サボテン栽培をしている方はご一読ください。
1.サボテンの害虫について
サボテンは、植物栽培初心者でも育てやすいものです。しかし、害虫は知らぬ間に発生しやすいため、知識は持っておくべきでしょう。
1-1.サボテンは虫に弱い?
サボテンは虫がつきやすい植物です。一見、虫とは分かりにくいものもあり、見逃してしまうケースもあります。こまめにチェックをし、日ごろから管理をしておくことが被害拡大を防ぐために重要です。
1-2.サボテンに寄生する主な害虫
植物の害虫図鑑などでも紹介されることが多いものは、最低限覚えておきましょう。
1-2-1.カイガラムシ
2〜3mmと小さく、円い形状をしているのが、カイガラムシの特徴です。サボテンが白くなるため、取り除いても表面の色素が損なわれてしまうことがあります。放置した場合、サボテン全体を覆うように広がってしまうことがあるものです。
1-2-2.コナカイガラムシ
コナカイガラムシは群れで寄生することもありますが、1匹だけ寄生することもあります。横筋状の形をしており、寄生した周囲が白く糸を引いたようになる被害が起こるのです。
1-2-3.ハダニ
室内栽培をしている場合、湿気がこもりやすくなり、ハダニが寄生するリスクも上がります。ハダニは0.3〜0.5mmと小さく、見逃しやすい虫です。短期間で数が増えやすいのも特徴でしょう。
1-3.室内と屋外について
室内は通気がわるくなりがちで、湿気を好む害虫が寄生しやすいものです。屋外は土中に虫が寄生し、越冬する種類もいます。室内・屋外を問わず、害虫は発生すると考えなければなりません。
1-4.サボテンの害虫はどうやって見つける? 発生場所は?
害虫が発生しやすいのは、棘(とげ)の間や葉です。普段から観察するように意識し、色の変化や異物の付着はチェックしましょう。異変があったらすぐに対処するようにし、被害が拡大する前に虫除けなどを行うようにしてください。
1-5.サボテンが害虫被害に遭うとどうなるのか?
害虫被害がわずかな場合は、取り除いて難を逃れることができるでしょう。しかし、被害が拡大した場合は、葉が光合成できなくなり、枯れてしまう危険性もあります。成長が著しく抑制されることもあるものです。
2.サボテンの害虫への対処法
害虫は被害が広がる前に対処すべきです。サボテンを長く楽しむためにも、害虫への対処法は知っておきましょう。
2-1.サボテンの害虫は早期駆除が大切
短期間で急増する害虫もいるため、こまめな管理が重要です。1匹見つけたら駆除し、虫除けスプレーなどをかけておき、広がらないようにしましょう。早めに駆除することで、ほかの害虫が発生するのも防ぐことができます。
2-2.サボテンに害虫が発生した場合、再生できるのか?
サボテンに寄生した害虫の数が少なければ、十分に再生する可能性はあるでしょう。葉の変色や虫食いなどがなければ、美しさを損ねることもありません。被害に気づくのが遅れた場合、再生不可能なこともあります。
2-3.サボテンの害虫はどう対処する?
害虫を発見したら、殺虫剤を散布しましょう。駆除しきれない場合は、害虫を1匹ずつピンセットやブラシで落とす方法がおすすめです。水をかけるか、水に浸(ひた)して駆除する方法もあります。害虫発生で傷んだ部分は取り除き、サボテンが再生できる環境も整えてください。
2-4.サボテンの害虫に関する薬について
害虫駆除は、サボテンや多肉植物向けの殺虫剤を使用しましょう。植物の生育を阻害せず、害虫に対してだけ作用するからです。オルトランは、サボテンの土に混ぜ込むタイプの殺虫剤で、一定の予防効果を示します。栽培前の土作りで使用し、健やかに栽培できる環境を用意しましょう。
2-5.サボテンの害虫は駆除しても要観察
1回駆除しても、害虫が完全に消えたわけではありません。肉眼では確認しきれない幼虫が潜み、成長して被害をもたらす可能性もあるでしょう。日々の観察は続けてください。毎日観察している方が異変に気づきやすいものです。
2-6.害虫被害に遭った部分について
害虫被害に遭った部分は、変色や腐敗が起こる場合があります。異常をきたした部分は取り除き、元気な部分にだけ栄養が行き渡るようにしましょう。
3.サボテンの害虫への予防法や対策
そもそも、害虫は発生しないように予防することが大切です。サボテンの栽培環境を見直すためにも、予防法などの知識を持っておきましょう。
3-1.害虫が発生しやすい環境とは?
室内で湿度管理が不十分だと、害虫は多発するものです。また、屋外でも、草花と隣接して配置している場合、ほかの植物から害虫が移動してくるリスクも高まります。無用な害虫を引き寄せないためにも、なるべく草花と離しておきましょう。
3-2.乾燥や湿度について
サボテンは乾燥地帯の植物であるため、湿気がこもる場所は避けておきましょう。通気のいい場所で、じめじめした環境にならないように心がけることが、害虫発生を予防する策です。日光には3〜4時間あてるようにします。とはいえ、高温になり過ぎる場所は避けてください。5〜40℃までの範囲で温度管理を行うのが理想です。
3-3.通通し
前述したとおり、通気のいい場所が最適です。湿気は害虫を招く要因ですから、なるべく風通しのいい場所に置くようにしてください。日あたりと通気のいい場所なら、サボテンも健やかに育ちます。
3-4.観察することがサボテン栽培には重要
サボテンは鑑賞用としても親しまれ、幅広い年代から支持されています。見て楽しむだけではなく、異変がないかをしっかり観察することが大切です。わずかな変化も見逃さず、おかしいと感じたらすぐに対処してください。
3-5.腐葉土について
腐葉土は植物の栽培に必要な栄養が詰まっている反面、害虫の発生を促すリスクも秘めています。幼虫などが潜み、サボテンを栽培する中で成長し、被害をもたらすためです。なるべく腐葉土は使わないでください。
3-6.サボテンの害虫予防になる薬
前項でもご紹介したオルトランは、サボテン栽培を始めるにあたり、導入しやすい害虫予防薬です。土に混ぜ込むだけで、害虫を発生しにくい環境を作ってくれます。初心者でも取り入れやすい方法です。
3-7.サボテンの害虫予防に関する注意点
サボテンを購入した際、土に害虫が潜んでいる可能性もあります。害虫が付着していないものを選ぶようにし、土はサボテン用のものに植え替えをする方法もおすすめです。サボテン用の土は軽石を中心としたもので、育てやすくなっています。湿気もこもりにくく、サボテンに最適な栽培環境となるでしょう。
4.サボテンの害虫に関するよくある質問
サボテンはインテリアとしても楽しめる植物で、愛好家も多いものです。しかし、害虫が発生した場合、美観を損ねることになります。サボテンの害虫に関する質問をまとめました。栽培時の参考にしてください。
Q.酢を使って虫除けができる?
殺虫剤や虫除けスプレーを使いたくないという方は、酢を薄めた手作りスプレーを作ってみてください。酢を10倍程度の水で薄め、空(あ)きスプレーボトルに入れて噴射します。サボテン全体に吹きつけるだけで、虫除け効果を発揮するでしょう。
Q.害虫でサボテンが枯れてしまったら再生しない?
根腐れをしてしまい、枯れてしまう場合があります。根をきってきれいな部分が露出したら、断面を乾かしてください。土の上に載せておけば、根が自然と生えてきます。しかし、サボテンの大部分が死滅した場合は、再生が難しいでしょう。
Q.白い虫が付着しているのは害虫?
サボテンにつく害虫の多くは白い虫です。とても小さな害虫もいるため、気づきにくい場合もあるでしょう。おかしいと感じる部分があれば、早めにピンセットなどで取り除いてください。
Q.白い粉のようなものがサボテンに付着している。
白い粉は、コナカイガラムシという害虫である可能性が高いでしょう。殺虫剤の散布をするか、ピンセットで取るようにしてください。触れてべたつきがあるかどうかで、害虫かほこりかの見極めができるはずです。
Q.サボテンに害虫が発生しやすい時期はいつ?
梅雨時は注意が必要です。じめじめした環境になりやすく、日照時間も短くなります。そのため、サボテンに害虫が発生し、根腐れも起こりやすいものです。梅雨の間は管理を十分に行い、定期的な観察を忘れないでください。
まとめ
サボテンは観賞用として親しまれ、幅広い年代から支持を受けています。インテリアとしても存在感があり、室内栽培をすることもあるでしょう。サボテンは育てやすい反面、害虫が知らぬ間に発生することもあるのです。サボテンにつきやすいカイガラムシ・コナカイガラムシ・ハダニなどがあります。害虫が発生した場合、ピンセットなどで取り除くか、殺虫剤を散布するなどしてください。サボテンは害虫を駆除しても、日々の観察で異変を早めに発見することが大切です。風とおしと日あたりを意識し、害虫が発生しにくい環境を整えることが予防法となります。栽培は腐葉土を使わず、サボテン用の土を使いましょう。サボテンは大切に育てれば、長く楽しむことができる植物です。害虫に対する予防法や対処法のコツを掴(つか)んで、上手に育ててみてください。