サボテンの剪定方法が知りたい! 元気に育てる方法と注意点は?

サボテンの剪定(せんてい)には、不要な枝・葉を切り落として成長を促す目的があります。必ずしなければならないものではないのですが、場合によっては必要な作業です。しかし、剪定の仕方を間違えると、サボテンが枯れたり、元気を取り戻せなくなったりする可能性があるでしょう。剪定を行う前に、きちんと正しい方法とポイントを押さえておく必要があります。そこで、本記事では、サボテンの剪定方法を解説していきましょう。

  1. サボテンの剪定は必要なのか?
  2. サボテンの剪定方法
  3. サボテンの剪定の注意点
  4. サボテンの剪定に関してよくある質問

この記事を読むことで、サボテンを元気に育てるための剪定方法とポイントが分かります。サボテンを元気に育てたい方はぜひチェックしてください。

1.サボテンの剪定は必要なのか?

必要性が分からないままサボテンの剪定をすると、中途半端になり失敗するおそれがあります。正しく行うためにも、なぜ必要なのか、理解を深めておきましょう。

1-1.剪定の必要性をチェックしよう!

サボテンは、ほかの植物よりもお世話する必要がなく簡単に育てられると好評ですが、「ずっとお世話をしなくても大丈夫」というわけでもありません。定期的な水やりが必要ですし、腐敗することもあります。その場合は腐った部分を取りのぞく剪定が必要なのです。サボテンは生命力が強い植物なので、腐った部分を取りのぞけば、そこから新しい根が出てきて増やすことができます。逆に、腐敗を放置すれば、病原菌が根から侵入し茎まで腐ってしまうのです。よって、剪定はサボテンを腐敗・病原菌から守り元気に育てるための必要な作業といえるでしょう。

1-2.どんな場合に必要なの?

主に、茎・葉が腐ったときに、サボテンの剪定を行うことになるでしょう。茎・葉が緑から茶色・黄色などに変色した場合は、腐敗がすすんでいる証拠です。きちんと正しい剪定を行えば、枯れを防ぐことができます。できるだけ早めに剪定を行い、腐った部分を取りのぞかなければなりません。
また、サボテンの中には上へ成長するタイプがあります。そのまま伸びすぎると見た目が悪くなるため、サボテンの高さを整えるために剪定を行うこともあるのです。伸びすぎる原因の多くは日照不足なので、日当たりの良い場所に移動するのも大切でしょう。夏は強い日差しで葉が焼けてしまうおそれがあるため、半日陰に移動してください。冬は室内に移動し、暖かく日当たりの良い窓際で育てましょう。

2.サボテンの剪定方法

サボテンの基本的な剪定方法を紹介します。適切なタイミングと必要な道具もあわせてチェックしておきましょう。

2-1.知っておきたい剪定のタイミング

サボテンの剪定は、腐敗した芽を見つけたとき・茎や葉が伸びすぎたときに行うのが一般的です。何か月に1回など具体的な回数は決まっていないので、日ごろからサボテンの状態を確認しておいたほうがよいでしょう。腐敗している部分があれば、すぐに取りのぞいてほしいのですが、「時期」に注意しなければなりません。なぜなら、サボテンには成長期と休眠期があるからです。成長期は春と秋、休眠期は夏または冬となります。もし、元気のない冬に剪定をしてしまうと、そのまま元枯れてしまうことがあるのです。ですから、サボテンの剪定は、できるだけ寒い冬を迎える前までに終わらせてください。

2-2.菜摘みのタイミング

剪定の1つとして「葉摘み(はづみ)」を行うことがあります。葉摘みとは、その名のとおり葉っぱを摘み取ることです。サボテンの中で花を咲かせるタイプは、定期的に葉摘みを行わなければなりません。なぜなら、葉を摘み取らなければ余計な新芽が生長し、栄養を奪い取ってしまい花が咲かなくなる可能性があるからです。つまり、葉摘みは見た目の美しさを保つだけでなく、必要な枝に栄養を行きわたらせる目的があります。
また、葉摘みを行うベストタイミングは、春または秋の気温が10℃以上の日です。こちらも気温が下がっている寒い日に行うと、枯れるおそれがあるので注意しましょう。

2-3.必要な道具は?

「剪定には特殊な道具が必要」と思われがちですが、一般家庭にある道具で簡単にできます。サボテンの剪定に必要な道具は、切れ味のよいナイフ・消毒用アルコールです。30cm以上の大きなサボテンを剪定する場合は、ナイフだと作業がしにくいので「のこぎり」を用意するとよいでしょう。
消毒用アルコールは殺菌効果があり、切り口に残っている菌を取りのぞくために必要です。切り口に腐敗菌・病原菌が残り付着すると、再び腐るおそれがあります。アルコール消毒でカバーしておけば、菌に侵されるリスクが下がり、腐敗が防止できるでしょう。

2-4.剪定方法の基本

茎・葉に腐敗が見られたとき、伸びすぎたサボテンを整えたいときは、道具を用意して剪定しましょう。以下に、剪定方法の基本をケースごとにまとめましたので、ぜひチェックしてください。

<伸びたときの剪定方法>

  1. 自分の好みの高さに剪定する
  2. 切り口にアルコール消毒をする
  3. 挿し木(茎または葉)により、新しい株を育成して古い株は処分する

<腐敗した場合の剪定方法>

  1. 腐敗菌で色が変わったところがなくなるまで切り取る
  2. 切り口を整えてアルコール消毒をした後、直射日光を避けた場所で乾燥させる

<葉摘みの方法>

  1. 元気のない葉や小さな新芽などを摘み取る
  2. 摘み取る場合は、葉3枚分くらいを残し、そこから先の葉を摘み取る
  3. 全体のバランスを整える
  4. 摘み終わった後は水やりを控え、2週間ほど放置する

剪定と同時に植え替えを行う場合は、切り口の真ん中を尖らせるイメージで周囲をカットしてください。なぜなら、そのほうが植え替えしやすく、サボテンに必要な水と栄養が行き届きやすくなるからです。そして、一通りカットしたらアルコール消毒をし、30分程度日光に当てましょう。ここで注意しておきたいのが、長時間日光に当てすぎないことです。切断面が傷むおそれがあるため、日差しが強い夏場は直射日光が当たらない風通りのよい場所で乾燥させましょう。また、大きなサボテンは、2か月以上乾燥させる必要があります。

3.サボテンの剪定の注意点

サボテンの剪定を行う際は、注意点とポイントを押さえておきましょう。

3-1.特殊なサボテンの場合

前述したように、剪定は冬の前に行うことが大切なポイントです。ただし、冬型種と呼ばれるダドレア・フォーカリア・リトープス・セネキオ・アエオニウム・コノフィツムなどは日本の暑さが苦手で、5~20℃の気温で良く育ちます。こうした冬に成長期を迎えるサボテンは、剪定を冬に行っても大丈夫でしょう。
また、クジャクサボテンは、7~9月になると勢いよく伸びるので、放置すると剪定しにくい長さになってしまいます。勢いよく伸びた新芽は、適宜に切り取っていくことが大切です。1回だけではなく、様子を見ながら切り取っていくと、好きな高さに調節できます。
このように、サボテンといってもさまざまな種類があり、それぞれの特徴で剪定の仕方やポイントが異なるのです。必ずしも、すべて同じ方法で剪定しなければならないとは限りません。まずは、育てている・育てるサボテンの特徴をきちんと理解することが大切でしょう。

3-2.水平に切断しよう

茎をどこで切ったらよいのか悩みどころですが、基本的にどこを切っても構いません。ただし、ななめではなく水平にカットすることがポイントとなります。水平にカットしたほうが、切断面から新しい芽が生えてきやすいからです。もし、茎の部分が腐っている状態なら、腐敗面がなくなるまでカットしたほうがよいでしょう。腐敗面を残すと、せっかくカットしたのに再び腐ってしまいます。
また、切り離した部分が腐敗していなければ、風通しのよいところで乾燥させましょう。そして、新しい植木鉢に植え替えをしておけば、再び新しい芽が生えてきます。サボテンを増やすことができる方法です。しかし、表面が変色している場合はすぐに捨ててくださいね。腐敗している茎をそのまま土に置いてしまうと、土の中から腐敗菌を水と一緒に吸い取り茎に入ってしまいます。とりあえず、腐敗しているものは傍に置かずに、すぐゴミ箱に入れてください。

3-3.消毒は厳重に!

「剪定したのに、サボテンが腐敗した」というケースをよく耳にします。さまざまな原因が考えられますが、最も見落としがちなのが剪定に使う道具類の管理です。たとえば、剪定に使うハサミが汚れていたり、ほかの植物をカットしてからそのまま使ったりしていないでしょうか。実は、ハサミについている菌がそのまま切断面から入り込み、腐敗を引き起こすケースがあるのです。剪定の前に、使用する道具をキレイにしておきましょう。できれば、汚れとホコリを拭き取った後にアルコール消毒をしてください。消毒用アルコールを吹きかけて、キレイなタオルなどで拭き取れば、感染が防止できるでしょう。

4.サボテンの剪定に関してよくある質問

サボテンの剪定に関してよくある質問を5つピックアップしてみました。

Q.剪定をしないとどうなるのか?
A.茎が上へ伸びるタイプのサボテンは、伸び放題になります。成長期にはどんどん伸びていくので、いつの間にか手に負えなくなってしまうでしょう。剪定のタイミングを逃してしまえば、さらに成長することになるので注意してください。また、子株も増えるため、見た目が悪くなちがちです。腐敗がある場合は、放置すると完全に枯れる可能性も高くなるので状態を見ながら剪定をする必要があります。

Q.切りすぎてはいけないのか?
A.中には、剪定の際にサボテンを切りすぎてしまうケースがあります。伸びすぎた茎は適宜に切り取って構いませんが、充実した茎に花がつきやすいのも事実です。そのため、極力切りすぎないように心がけてください。特に、見た目重視になると切りすぎる傾向があるため、全体のバランスをきちんと考慮しながら剪定を行うことがポイントです。

Q.根腐れが起きたときに現れる症状が知りたい
A.サボテンの根腐れが起きると、土に近い茎の部分がぶよぶよとした状態になります。強く押してみると汁っぽい水気が出てくるので、さわれば分かりやすいでしょう。ほかにも、トゲが抜けたり、茎全体が傾いたり、色が変色したりしてきます。こうした症状が出てきたときは、水やりを控え、植え替えをする必要があるでしょう。

Q.剪定すべきサボテンの子株はどんなものか?
A.成長期に入ると、サボテンの茎に小さな株のようなものが次々と生えてきます。茎の一部がこぶのように盛り上がり、そこから小さなサイズのサボテンが生えてくるので、この部分を切り取ってください。そして、十分に乾燥させることが大切です。1週間~10日ほどで切り口が乾燥するでしょう。
もし、サボテンを増やしたい場合は、子株を植えるための鉢を準備してください。少しだけ肥料を加え8分目程度まで土を入れた後、子株の根元をピンセットでつかみ、植えこみます。倒れない程度まで植え、しばらくは水を与えずに根を成長させましょう。10日程度で根っこが張り始めたら、水を与えます。このように、子株からサボテンを増やすことができるのです。

Q.剪定についていろいろと相談したい。どこに相談すべき?
A.園芸店やホームセンターでもよいですが、できればサボテンを専門に扱っている店舗のほうが的確なアドバイスを得ることができるでしょう。サボテンを専門的に販売している「コピアポア」では、多種多様なサボテンを扱っています。剪定の仕方やお世話の方法など、どのような悩みにも対応しているのでぜひチェックしてください。ホームページのフォームまたは電話から問い合わせが可能です。

まとめ

いかがでしたか? サボテンの剪定は難しい、初心者にはできないと思われがちですが、家庭にある道具で簡単に行うことができます。ただし、正しい方法とポイント・注意点をきちんと把握しておかなければなりません。また、サボテンといってもさまざまな種類があり、中には剪定のタイミングと方法が異なるケースがあります。剪定を行う前に、育てているサボテンがどの種類でどんな特徴があるのか理解することが大切です。サボテンの特徴を踏まえ、剪定方法とポイントを押さえておけば、元気な状態のまま育てることができるでしょう。