サボテンは植え替えが必要?

サボテンは植え替えが必要? 育て方や植え替えのポイントをご紹介!

「サボテン」は、1人暮らしの狭い部屋でもインテリアとして育てやすく人気です。しかし、水やりや世話をしない状態が続けば、枯れてしまうので注意しなければなりません。サボテンを元気よく美しく育てるためには、「植え替え」が大きなポイントとなります。植え替えは難しいと思われがちですが、きちんとポイントを押さえておけば初心者でも簡単です。そこで、本記事では、サボテンの植え替えの方法とポイント・注意点について解説します。

  1. サボテンは植え替えが必要か?
  2. サボテンの植え替えポイントは?
  3. サボテンの植え替え方法は?
  4. サボテンの植え替えに関してよくある質問

この記事を読むことで、サボテンの植え替え方法とポイントが分かります。サボテンを元気に育てたい方はぜひ参考にしてください。

1.サボテンは植え替えが必要か?

育てやすさが魅力のサボテンですが、植え替えは必ずしなければならないのでしょうか。ここでは、植え替えの必要性とタイミングを説明します。

1-1.植え替えが必要?

サボテンに限らず、植木鉢で育てている植物すべてに植え替えが必要です。その理由としては、土を新しく入れ替えること、そして生長した根の大きさに合わせて大きい鉢へ移し替えるという2つがあります。植物は時間の経過とともに大きく育つため、使用している鉢では窮屈になってしまうのです。また、数年間放置すると土の栄養が減り、植物にとって生きにくい環境となります。定期的にサボテンの植え替えをしてあげることで、より元気よく生長し長く楽しめるでしょう。

1-2.植え替えのタイミングは?

サボテンの植え替えは、1年に1回がベストだといわれています。しかし、サボテンの植え替えサインが出てきた場合は、すぐに新しい鉢へ移し替えなければなりません。植え替えサインは、以下の項目を参考にしてください。

  • 1年以上植え替えをしていない
  • 鉢の底から根が飛び出している
  • 土に水が染みこまない
  • サボテンが大きくなりすぎて鉢とのバランスが悪い
  • 土にカビまたは緑色の藻ができている
  • 茎の部分が黒ずんでいる

たとえ、元気のなくなった株でも、一旦鉢から抜いて植え替えることで元気を取り戻すことがあります。ただし、完全に根全体が腐れている場合は不可能でしょう。植え替え前に、根の状態を確認してください。

2.サボテンの植え替えポイントは?

サボテンの植え替えで最低限、押さえておきたいポイントを紹介するのでぜひチェックしてください。

2-1.植え替えに適した季節、天候は?

サボテンの植え替えに適しているのは「春」と「秋」です。春は4月下旬~5月下旬ごろ、秋は8月中旬~9月中旬が良いでしょう。この時期は暑すぎず寒すぎない過ごしやすい気候で、サボテンが育成期に入る前です。生育期に入る直前に植え替えをするのが最も効果的なので、春と秋を目安に実践しましょう。
また、暖かで晴れた日の午前中がサボテンの植え替えに適しています。午前中に植え込みを終わらせ、午後にたくさん日光浴をさせてあげられば最高でしょう。さらに、晴れの日が続けば好ましい環境を作ることができます。逆に、寒くて天候も悪い日の夕方~夜は避けるべき日です。

2-2.サボテンに適した土とは?

植物にとって栄養を吸収するために必要なのが「土」です。サボテンにとって良いのは、全部で以下の5つの条件がそろった土となります。

  • 排水性が良い
  • 通気性が良い
  • 保肥力がある
  • 粒が均等の大きさで細かい
  • 適度に保水性がある

以上の条件に適したサボテン専用の培養土を使うと良いでしょう。自分で土を作る場合は、赤玉土(小粒4割)・鹿沼土(小粒・2割)・ボラ土(小粒の軽石2割)を混合してください。または、川砂(8割)・腐葉土(2割)にくん炭を1割ほど混ぜた土を使用するのもOKです。

2-3.鉢のサイズ選びのポイント

植え替え用の鉢は、現在の鉢よりもひとまわり大きいサイズを選ぶのがポイントです。ただし、大きすぎる鉢を選ぶと土が乾きにくくなるため、根腐れを起こすおそれがあります。大きめのサイズといっても、株の葉張りより一回り大きめのサイズを選んでください。葉張りとは、左右の枝の先端から先端までのサイズのことです。
また、鉢の材質は、プラスチックよりも「素焼き」または「陶器」のほうが、通気性が良く、水を与えても土が乾燥しやすい環境を作ることができます。

2-4.肥料は与えるべきか?

必ず肥料ではありませんが、肥料を与えることで生育が良くなるというメリットがあります。観葉植物などは固形肥料を置いたり液肥を与えるのが一般的ですが、サボテンの場合は水やりの回数が少ないので元肥(もとごえ)という方法で与えてください。元肥とは、植え替えの際に肥料を一緒に植えこむことです。植え替え時に、緩効性肥料を適量鉢底に入れましょう。植え替えのときにしか肥料を与えることができないので、チャンスを逃さないように注意してくださいね。

2-5.水やりのコツは?

植え替え時は土を完全に乾かしておかなければならないため、サボテンを植え替える7~10日前ほどから水やりをやめてください。土を乾かすことで、鉢から株が抜きやすくなり、根への負担を軽くすることができます。また、植え替え後の1~2週間も水を与えてはいけません。植え替え直後に水を与えると、カットした短い根が水を吸収できず根腐れを起こす可能性があります。

3.サボテンの植え替え方法は?

では、サボテンの植え替え方法について詳しく説明します。

3-1.用意するもの

サボテンの植え替えに必要なものは以下のとおりです。

  • ひとまわり大きな植木鉢
  • サボテンに適した土
  • 鉢底石や軽石
  • 鉢底ネット
  • 植物用ハサミ
  • 割りばし

以上のアイテムは、ホームセンターまたは園芸店で購入できます。オシャレな鉢を使いたい場合は、インターネットサイトで検索するとたくさんの種類が出てくるのでおすすめです。雑貨店にもかわいいオシャレな鉢が売られているので、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。

3-2.植え替えの主な流れ

サボテンの植え替えの主な流れは以下のとおりです。

  1. サボテンへの水やりをやめ、7~10日かけて土を乾燥させる
  2. 土が完全に乾いたら、鉢の周囲を軽くたたきサボテンを抜き出す
  3. 根についている古い土を手でもみほぐしながら取りのぞく
  4. その際に傷んで黒ずんでいる根を切り落とし整理する
  5. 根が乾いていないときは、さらに4~5日間日陰で乾燥させる
  6. 植木鉢の穴に鉢底ネットをかぶせ軽石を敷く
  7. 鉢の3分の1ほど土を入れ、根を広げながらサボテンを鉢の中心に置く
  8. サボテンの周囲に土を少しずつ足し、株を安定させる
  9. 割りばしで土をつつきながら、根と土をなじませる

根がなじむまでの間は、日当たりの良い窓辺や風とおりの良い場所に置いてください。植え替え後から1か月もすれば、根が張り始めます。

3-3.植え替えのポイント

ポイントは、腐った根をすべて取りのぞくことです。取りのぞいた後の切り口はよく乾燥させましょう。健康な根はそのままでも構いませんが、生長を促進させるために数cm程度カットする方法もあります。長く伸びすぎた根は、5cm前後に切り詰めてください。また、根をカットする前に、必ずハサミの刃を消毒しておかなければなりません。サボテンはデリケートな植物で細菌に弱い傾向があります。ハサミの刃に細菌が付着していることがあるため、熱湯消毒またはアルコール消毒をしてから使いましょう。

3-4.植え替え後のお手入れ

前述したとおり、植え替えをした後は1~2週間程度水を与えてはいけません。そして、直射日光に当てないのもお手入れのコツです。植え替え直後は非常にデリケートな状態なので、直射日光に当てると枯れてしまうおそれがあります。直射日光の当たらない半日陰の場所で管理してください。難しいときは、キッチンタオルをサボテンの上にかけてあげると良いでしょう。植え替え直後はよく乾燥させることが大切なポイントです。

3-5.注意点

鉢から引き抜いたサボテンの根から土を払い落とす際、力の入れすぎで根にダメージを与えてしまうことがあります。根にダメージを与えると、せっかく植え替えをしても枯れてしまうおそれがあるので注意してください。できるだけ力を入れず、軽くもみほぐしながら土を払い落とすのがポイントです。また、新しい鉢に置く際にも、根を傷めないように用土をなじませてください。

4.サボテンの植え替えに関してよくある質問

サボテンの植え替えに関してよくある質問を7つピックアップしてみました。

Q.サボテンが土から抜き出せない場合の対処法は?
A.細かい粒の土を使うサボテンは、なかなか鉢から抜き出せないときがあります。そんなときは、水を張ったバケツに5分ほどサボテンを鉢ごと沈めてください。引き抜いて直接水に浸すと根腐れが起きやすくなるため、あくまで鉢ごと沈めて土を湿らすことがポイントです。そうすれば、土がやわらかくなり抜き出しやすくなるでしょう。それでも抜き出せない場合は、ペンチや竹串などでコツコツ根の部分についた土を取りのぞきましょう。きちんと土を取りのぞいた後は、根が濡れているのできちんと乾かしてくださいね。

Q.どんな肥料を与えたら良いのか?
A.緩効性肥料または化成肥料がおすすめです。これらはゆっくりと効き目が続くため、サボテンに過剰なダメージを与えずに肥料をあげることができます。たとえば、緩効性肥料の「マグアンプK」「サンアンドホープ サン化成肥料」などです。分からないときは、園芸店の店員に尋ねると良いでしょう。または、サボテンを取り扱っているサイトにおいても、相談を受けつけているところがあります。

Q.サボテンを増やしたい……
A.植え替え時にサボテンを増やしたいときは、「挿し木」という方法があります。挿し木とは、サボテンからポコリと出ている部分を切り取り、別の鉢に植える方法です。本体から切り取った後は、日陰などで2~3週間乾燥させた後、土に植えてください。植えるというよりも、サボテンを浅く土の上に乗せる程度でOKです。直射日光を避けた場所で管理すると、根が少しずつ張り始めます。差し木は春・秋に適しているので、植え替えと同時に行うと良いでしょう。

Q.サボテンに使える市販の土とは?
A.「ゴールデン培養土」または「サボテン・多肉植物の土」などがあります。ゴールデン培養土は、団粒構造と小粒軽石がバランス良く配合されているため、水はけに優れている土です。さらに、根張りが良く、加熱処理を施しているので害虫等の侵入を防ぎます。物理性・化学性を実現したサボテン・多肉植物の土は、赤玉土・鹿沼土・木炭など植物にとって理想的な土が配合されている用土です。分からない場合は、店舗スタッフに尋ねてみると良いでしょう。

Q.サボテンの根の土を取り去るとき、水で洗ってはいけないのか?
A.サボテンの根についている土を手っ取り早く落とすために、水洗いをしようとする方がいます。しかし、サボテンの根を水洗いすることだけは絶対にNGです。水洗いをしてしまうと、根に大きなダメージを与え根腐れを起こす原因となります。

Q.良い土と良くない土の見分け方は?
A.良い土の粒はそろっており、通気性・排水性に優れています。一方、粒がそろっておらず、パッケージの窓から見たときに緑色の藻(も)が発生しているものは避けてください。また、水滴が多くついている土も夏にカビが発生しやすくなります。カビはサボテンが枯れる原因となるため要注意です。

Q.肥料はずっと与え続けるべきなのか?
A.植え替えの際に与える緩効性肥料は、およそ3~6か月で効果が薄まります。もし、サボテンに元気がなければ、追肥するのも育成のコツです。購入した肥料を確認しておき、肥料が切れるタイミングで同じ肥料を追加しましょう。春に植え替えを行った際は夏に元肥の効果が切れるため与えても構いませんが、冬は休眠期に入るので肥料が要らなくなります。サボテンの成長期と休眠期を踏まえた上で、肥料を与えてください。

まとめ

いかがでしたか? 「サボテンの植え替えをしたいけど失敗したらどうしよう……」と思っている方でも、きちんとタイミングとポイント・正しい方法を把握しておけばスムーズな植え替えができます。サボテンは思っている以上にデリケートな植物なので、植え替えの時期と扱い方に注意して挑戦してみてください。