サボテンが木質化する原因を解説! そのまま育てても大丈夫?

サボテンが木質化する原因を解説! そのまま育てても大丈夫?

「サボテンが下の方から茶色っぽくなってきた」と悩んでいる人はいませんか? サボテンの幹部分が茶色く硬くなる現象を「木質化」といいます。病気ではありませんが、生育環境がサボテンにとって悪化している証拠です。

そこで今回は、サボテンが木質化する原因や対処方法を紹介しましょう。

  1. サボテンが木質化する原因
  2. 木質化したサボテンをそのまま育て続けてもよい
  3. 木質化したサボテンの対処方法
  4. サボテンに関するよくある質問

この記事を読めば、サボテンを上手に育てる方法も分かります。サボテンを育ててみたい人やサボテンの木質化に悩んでいる人は、ぜひ読んでみてくださいね。

1.サボテンが木質化する原因

はじめに、サボテンが木質化する理由や木質化と病気との違いを紹介します。

1-1.木質化とはサボテンが木のような状態になること

木質化とは、サボテンの幹が木のような見た目や質感になることです。健康なサボテンは幹が緑色で適度な張りと弾力があります。木質化すると幹が茶色っぽく変化し、質感も木の樹皮のように乾いてざらざらになるのが特徴です。通常、木質化は地面に近い場所から始まります。

1-2.育成環境が悪いと木質化する

サボテンは、乾いて日当たりのよい環境を好みます。雨風に当たる頻度が多かったり気温が低すぎたりした場合、身を守るために木質化するのです。特に、若いサボテンが木質化した場合は、育成環境が好ましくないと考えましょう。

1-3.老化したサボテンは木質化しやすい

サボテンは生育環境がよければ、30年以上は生きる植物です。しかし、年を取ってくると生育環境がよくても木質化しやすくなります。今まで全く問題なかったサボテンが急に木質化した場合は、老化を考えましょう。

1-4.木質化しても生き続ける

サボテンが木質化すると見た目が悪くなり、枯れたと勘違いしがちです。しかし、木質化してもサボテンは生き続けます。上に伸びたり、子株がたくさんできたりすることも珍しくありません。木質化と病気の見分け方は、サボテン全体を観察すれば分かります。木質化したところ以外は元気があり、子株が発生している場合はサボテン自体は元気です。一方、病気の場合は全体的に元気がなく、茎がぶよぶよとしたりトゲが落ちたりすることもあります。

1-5.冬越ししたサボテンは木質化しやすい

サボテンは、すべての種類が木質化する可能性があります。中でも、冬越ししたサボテンは木質化しやすいでしょう。日本の冬はサボテンにとって過酷な環境です。冬越ししたらサボテンの根元が茶色くなっていたという場合は、病気よりも木質化を疑ってください。

2.木質化したサボテンをそのまま育て続けてもよい

木質化したサボテンは、そのまま育て続けても問題はありません。ただし、若いサボテンが木質化した場合は、生育環境を見直しましょう。木質化した場所で育て続けていると、枯れてしまう可能性があります。

また、木質化したサボテンは見た目が悪いものです。木質化した部分を元に戻すことは不可能なので、その部分を切りとって新しい芽や根を発芽、発根させる方法を試してもいいでしょう。

3.木質化したサボテンの対処方法

この項では、木質化したサボテンの見栄えを良くする方法や長生きさせる方法を紹介します。

3-1.胴切りして木質化した部分を取り除く

サボテンは、地面に近い場所から木質化していきます。そこで、木質化した部分を胴切りにして取り除き、残った茎から新たに発根させれば、見栄えが良くなるでしょう。「木質化した部分が枯れているように見えてみっともない」という場合や、観葉植物として多くの人の目に触れるサボテンは、胴切りしてください。

3-2.胴切りをしたら乾燥を徹底する

胴切りは、刃物でサボテンの茎を切る作業です。園芸用のハサミやカッターナイフがあれば簡単に行えます。ただし、刃物は消毒剤を塗ったり、火であぶったりして殺菌を徹底しましょう。胴切りをする場合は、サボテンの成長期である春か秋がおすすめです。夏や冬はサボテンの休眠期に当たるので、発根が遅くなる可能性があります。

胴切りしたサボテンは、切った部分を地面に接しないように新聞紙などでくるみ、完全に乾燥させてください。2週間~1か月したら、新しい根が生えてきます。そうしたら、土に植え替えしましょう。乾燥中のサボテンは、横にするか切断面を上にして置いてください。

3-3.サボテンにとって好ましい育成環境を作る

木質化したサボテンをそのまま育てるときは、サボテンにとって好ましい育成環境を整えてください。サボテンは、気温が25~40℃、乾燥した場所を好みます。風雨にさらされている場合は、室内に移してください。冬は暖房が効いた室内で育ててもいいでしょう。

温室など日当たりがよく気温が上昇しやすい場所で育てているのなら、夏は気温に注意してください。40℃を超えるようならば、もう少し涼しい場所に移します。水は、サボテンを植えている土が完全に乾いたら、たっぷりとあげましょう。土が常に湿っている状態は、サボテンにとってよくありません。

4.サボテンに関するよくある質問

この項では、サボテンに関する質問を紹介します。

Q.サボテンは、鉢が小さくなっても木質化するものですか?
A.はい。鉢が小さいと根が鉢の中で絡まり合って窒息しやすくなります。大きくなったら早いうちに大きな鉢に植え替えしましょう。

Q.サボテンが頭頂部から茶色くなってきたら、病気ですか?
A.サボテン全体の様子を確認してください。ぐったりと元気がなく、トゲが落ちて茎がぶよぶよしているようなら病気の可能性があります。

Q.サボテンが木質化して子株がたくさんできている場合はどうしたらいいでしょうか?
A.子株を切り取り、胴切りと同じ要領で乾燥させてください。発根するのでサボテンを増やすことができます。

Q.サボテンはどのくらいの大きさになれば、木質化するのでしょうか?
A.環境が悪ければ、手のひらに乗るくらい小さなサボテンでも木質化します。

Q.カラフルな砂に植えられたサボテンは木質化しやすいのですか?
A.カラフルな砂は、サボテンにとって育ちやすいものではありません。大きく育てたい場合は、サボテン用の土に植え替えましょう。水はけの良い器で育てることも大切です。

まとめ

今回は、サボテンが木質化する原因や対処方法を紹介しました。木質化してもサボテンは枯れませんが、見栄えが悪くなります。また、若いサボテンが木質化した場合は、育成環境を変えないと寿命が短くなる可能性があるでしょう。木質化したら育成環境を変えるか、胴切りして発根を促してください。